地域経済低迷のなか業績伸ばす
韓信協会員組合2006年度の決算
在日韓国人信用組合協会(韓信協、洪采植会長)会員8組合の通常総代会が6月28日までに終わった。全体の3月末決算業績(06年度)は、預金が前年比0.52%増の5675億700万円、貸出金が同1.78%増の4269億3000万円と、地域経済の低迷が続くなかでいずれも業績を伸ばす健闘ぶりを見せた。自己資本比率も平均6.30%と、健全経営ラインを十分確保した。ただ、不良債権の迅速な処理などのため、出資配当を実施したのは4組合にとどまった。
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あすか信用組合 預金・貸出金とも増加
あすか信用組合(本店・東京都)は6月27日、新宿の本店で第41期通常総代会を開いた。総代114人中85人(委任状44)が出席。
06年度決算業績は、預金1623億1702万円(前年同期比4・15%増)、貸出金1130億2997万円(同3・74%増)で、預貸率は69・64%。自己資本比率は6・44%で、出資配当金は1%。
李永植理事長は「当期は11億3000万円の不良債権を償却した。新たな引当金が必要なため、純利益が8200万円と前年比大幅に減少した。今期はリスク管理をさらに徹底し、民族金融機関としての役割を発揮していきたい」と語った。
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信用組合広島商銀 昨年に続き3%配当
信用組合広島商銀(本店・広島市)は6月20日、本店で第46期通常総代会を開いた。総代133人中133人(委任状58)が出席した。
06年度業績は、預金1279億6176万円(前年同期比3・75%増)、貸出金960億3492万円(同2・47%減)、預貸率75・05%だった。自己資本比率は6・24%で、出資配当は3%。
鄭義夫理事長は「預金は前期比46億円増となったが、貸出金が前期比24億円減となった。迅速な不良債権処理に向け貸倒引当金を7億3400万円積み増ししたため、純利益は9800万円にとどまったものの、3%配当を実施できた」と説明した。
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横浜商銀信用組合 不良債権処理で赤字
横浜商銀信用組合(本店・横浜市)は6月28日、同本店で第46期通常総代会を開き、洪采植理事長を再選した。総代127人中117人(委任状56)が出席した。
06年度業績は預金955億8906万円(前年同期比6・97%減)、貸出金722億5267万円(同4・05%増)で、預貸率は75・59%。自己資本比率は4・54%。
洪采植理事長は「経営合理化に努めたが、不良債権への対応もあって、5100万円の純損失となった」と述べるとともに、7月17日に予定されていた北陸商銀との合併に関して、事務手続きの都合上、年内をめどに延期したことを明らかにした。
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信用組合愛知商銀 合理化で純益伸ばす
信用組合愛知商銀(本店・名古屋市)は6月27日、愛知韓国人会館で第54期通常総代会を開いた。総代134人中130人(委任状84)が出席。
06年度決算業績は、預金が602億4464万円(前年同期比7・23%減)、貸出金が537億829万円(同2・73%増)で、預貸率は89・15%。自己資本比率は5・73%。
権東鉉理事長は「昨年12月に四日市支店を統廃合するなど合理化に専念した結果、業務純益が10億円余に達した。今後も、地域の中小零細業者や勤労者の経済的地位の向上に努めるとともに、引き続き経営の健全化をさらに進めたい」と決意を述べた。
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九州幸銀信用組合 財務体質強化を優先
九州幸銀信用組合(本店・熊本市)は6月28日、福岡市内の九州幸銀ビルで第51期通常総代会を開いた。総代128人中118人(委任状83)が出席した。
06年度決算業績は、預金が408億5472万円(前年同期比5・11%増)、貸出金が319億6570万円(同1・55%減)で、預貸率は78・24%。自己資本比率は5・12%。
金泰 理事長は「業務利益は1億5200万円を計上したが、財務体質強化のため不良債権処理を進めた結果、3億4400万円の純損失となった」と説明した。
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あすなろ信用組合 収益黒字体質に改善
あすなろ信用組合(本店・松本市)は6月28日、長野市内のホテルで第32期通常総代会を開いた。総代167人中108人(委任状54)が出席した。
06年度決算業績は、預金367億45万円(前年同期比2・29%増)、貸出金303億317万円(同6・49%増)であった。預貸率は82・57%で、自己資本比率が5・02%だった。
尹昌旭理事長は「当期純利益は2200万円にとどまったが、実質業務純益が前期比4800万円増の3億4300万円となって、ようやく収益体質に変わってきた。『飛躍に向かって実行』をスローガンに、いっそう努力したい」と抱負を述べた。
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北陸商銀信用組合 自己資本率9%台に
北陸商銀信用組合(本店・福井市)は6月22日、福井市内のホテルで第42期通常総代会を開いた。総代125人中118人(委任状53)が出席した。
06年度決算業績は、預金が247億2876万円(前年同期比0・43%増)、貸出金が181億3488万円(同4・13%増)で、預貸率は73・33%。自己資本比率は9・04%に上昇した。出資配当は3%。
姜栄文理事長は「横浜商銀との合併に向け1日理事長記念預金を実施したのをはじめ、変動金利型住宅ローンなど融資拡大に注力した結果、純利益6400万円を計上することができた」とし、総代らの協力に謝意を述べた。
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信用組合岡山商銀 貸出減でも配当実施
信用組合岡山商銀(本店・岡山市)は6月15日、本店で第45期通常総代会を開いた。総代109人中82人(委任状29)が出席した。
06年度決算業績は、預金191億998万円(前年同期比4・35%増)、貸出金115億円(同3・85%減)で、預貸率60・17%。純利益8073万円で配当2%。自己資本比率はやや減少し8・30%。
李理事長は「預貸率が創立以来の最小値となったが、債務集約ローンを主力に各種ローンの商品化が進み、さまざまなニーズに応え得る態勢が整うなか、不動産関連など資金の需要に明るさが見えてきた」と今後の期待感を示した。
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横浜商銀・北陸商銀 合併を延期
韓信協が談話文発表
横浜商銀信用組合と北陸商銀信用組合の合併延期に関して、在日韓国人信用組合協会(洪采植会長)は6月28日、次のような談話文を発表した。
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当協会会員組合である横浜商銀と北陸商銀は昨年7月の合併契約合意以降、来る7月17日の合併実施に向けて準備作業を進めてきましたが、システム対応等事務上の手続きを万全なものとするため、更に時間を要するという両組合の話し合いのもとで、前記合併期日を延期し、今年中を目途に合併を実施することになりましたので、ご報告申し上げます。
その間、両組合の合併実現を見守ってくださっている両組合の組合員の皆様、当協会会員組合並びに在日関連団体各位にはご迷惑をおかけすることとなりますが、やむを得ぬ当分間の合併延期でありますので、皆様のご理解をよろしくお願い申し上げます。
当協会としても、両組合の合併母体となる中央商銀信用組合を誕生させ、在日同胞社会や当該地域の発展に貢献できるよう邁進して行きたいと思いますので、今後とも皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
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小口安定預金が増加 近畿産業信用組合
近畿産業信用組合(本店・大阪市)は6月28日、京都市内のホテルで第54期通常総代会を開いた。総代233人中196人(委任状93)が出席。
06年度決算業績は、預金5802億3928万円(前年同期比2・11%増)、貸出金3408億2189万円(同5・56%増)で、預貸率は58・74%だった。純利益は30億4100万円(同21・32%減)で、出資配当2%。自己資本比率9・29%。
八田富夫理事長は「さらなる大衆化を進めた結果、1000万円以下の中・小口安定預金が98億円増の3122億円に達した」と述べた。
長崎商銀合併(06年6月)記念定期預金の発売や、全店感謝デー開催、「きんさんの日」(毎月第3金曜日)実施などを推進してきた。今年9月には36番目の支店として、高槻支店がオープンする。
(2007.7.4 民団新聞)