掲載日 : [2007-07-19] 照会数 : 8252
<大阪市立大学>「朝鮮語」履修者急増600人に
[ 大きな教室で授業を受ける学生たち
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<大阪市立大学>「朝鮮語」授業開設から30年 履修者急増600人に
ソウル五輪、韓流契機に
【大阪】大阪市立大学で外国語受験科目の一つとして08年度からは「朝鮮・韓国語」を選択できるようになった。これは民団大阪府本部などの要望活動が実ったものだ。公立大学としては全国で初。大阪市立大は実は30年前から一般教養の選択科目として「朝鮮語」を採用している。こうした取り組みの積み重ねも受験科目に「朝鮮・韓国語」を採用する動機付けとなったようだ。
一般教養の選択で
大阪市立大学の「朝鮮語」授業は通常、1学年で全学共通科目の外国語科目(朝鮮語、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語)の一つとして選択できる。06年度は前・後期合わせて延べ596人が履修した。このうち、韓半島にルーツを持つ学生数は約1割強を占めている。授業科目は教育レベルに応じて12課程で行われている。
「朝鮮語」科目は74年7月、学内の外国人学生問題調査委員会(後に外国人問題委員会と改称)から「最も関係深い隣国の言語の習得・研究がほとんどとるに足りない状態にあるのは不自然」と答申があり、教養部運営委員会などで検討を重ね「学内の要望に応える」ため75年度に開講した。韓国・朝鮮語教育を開設した大学は短大を含め今でこそ410校(02〜03年度、財団法人国際文化フォーラムによる調査)を数えるが、75年当時、国公立大学で開設していたのはわずか数校にしかすぎなかった。
大阪市立大学でも当初は「朝鮮語」の履修者は少なく、16年前は1年間でわずか40人足らずだった。だが、ソウルオリンピックの開かれた88年ごろから韓国に関心を持つ学生が増え始め、93年度に初めて100人を超えた。
翌年からは授業の提供を2期制としたこともあり、300〜400人台で推移し、05年には前・後期合わせて過去最高の延べ630人が授業を受けた。
開設以来、「朝鮮語」授業は主に専任教員の野崎充彦さんと非常勤講師3人が担ってきたが、今年度からは3人の特任教員に体制を変えた。このへんからも大学側の意欲がうかがえる。特任教員体制になってからは独自の教材開発に携われるようになり、緻密な指導が可能になったという。
野崎さんは「外国語全体から見ると、朝鮮語の授業を受ける学生はまだまだ少ない。もっと受講してもらいたい」と呼びかけている。
(2007.7.18 民団新聞)