掲載日 : [2007-09-05] 照会数 : 8644
金剛学園新校舎落成祝う 難産の末の移転実現
[ 金剛学園の新校舎 ]
[ 体育館でのテープカット ]
声詰まらせ「胸がいっぱい」
生徒増への「新たな一歩」
【大阪】金剛学園(金漢翊理事長、韓京翊校長)の新校舎落成記念式が1日、移転先の大阪市住之江区南港コスモスクエアで行われ、関係者150人と児童生徒の代表が出席した。90年に西成区の旧校舎が大阪市の都市計画事業の対象となって以降、紆余曲折を経て7年がかりでようやく移転が実現しただけに、関係者は「感無量」「胸がいっぱい」と声を詰まらせていた。390人が新校舎で学ぶ。
移転推進という最大の課題を実現させた金理事長は式典で「難産の末、移転が実現してほっとしています。旧校舎の敷地も最高価格で売却できました」と感謝の言葉を述べた。
駐日大使館の裴優昌首席教育官は、新校舎の落成を機に、これまで以上に生徒募集に力を入れるよう激励した。民団中央本部の呉公太副団長は、日本社会で国際人に育てる教育と、なにより民族教育の充実に期待しているとの鄭進団長のメッセージを代読した。
李美善PTA会長は1家庭から300円ずつ集めてきた月会費をこの3年間、移転に備えてコツコツ節約、家庭科室の冷蔵庫やパソコン教室のいすと机などの備品購入費用の一部として800万円を寄付した。李会長は「子どもがいたから、子どもがこの学校が好きだったから、親は乗り越えることができました」という。
卒業生からもこれまで以上に生徒募集に力を入れなければとの声が上がった。李文夫校友会会長は「生徒減少で廃校寸前に追い込まれようとしたところ、移転問題がスタートした。器はできた。これからが新たな一歩」と決意を新たにしていた。同じく校友会の趙栄吉さんも「生徒が来たいという学校にしなければ」と述べた。保護者からは「小学生から韓国語を充実してほしい」「プールをつくってもらいたい」といった声も寄せられた。
新校舎は海と緑豊かな自然環境に恵まれた好立地。鉄筋コンクリート4階建て、延べ床面積は4500平方㍍。敷地面積は8703平方㍍と旧校舎の2・7倍、運動場は約4倍に広がった。
大阪市西成区の旧校舎は90年、大阪市都市計画事業による道路拡張のために移転の対象となり、00年から当時の高基秀理事長が中心となって市との間で代替土地をめぐる交渉を重ねてきたが、高理事長が亡くなってからは一時、移転問題そのものが暗礁に乗りかけた。その後、06年10月に現在の金理事長が就任し、取り組んできた。旧校舎の敷地は8億円で売却が成立し、新校舎建築費用に充てられた。
(2007.9.5 民団新聞)