掲載日 : [2007-09-26] 照会数 : 5304
<布帳馬車>期待と不安の〞成績表〟
字句の修正で真っ赤になっていた民団新聞の大ゲラが、夕方になると、ほぼ完成された紙面に近づく。昨夜から続く煩わしい紙面製作から間もなく開放されるのかと思うと、つい緊張がゆるみがち。それを知ってか知らずか「最後まで気を緩めるな」と責任者が厳しい表情で叱責する。
前日の夜中に刷り上がった紙面は作業の翌朝、民団に届く。インクのにおいも生々しい紙面をおそるおそる開く。このときは、小学校の終業式で、受け取ったばかりの成績表を開くときのわくわく、どきどき感と似ている。工場で間違いがないか、何度も読み返した紙面なのになぜか新鮮。読者に読んでもらえる紙面になっているか、どのような評価を受けるのだろうか、期待と不安が交差する。
民団新聞編集スタッフとしては、民団の活動と主張を伝える機関紙としての責任を果たしつつ、不特定多数の読者に読まれる紙面をどうつくったらいいのかにいつも悩む。最近も人づてにある読者から、「最近の紙面は機関紙的な色彩が濃くなって、面白くなくなった」との指摘をいただき、複雑な気持ちになった。
民団中央本部では新聞製作にかかわる厳しい財政事情から、全国の民団役員に年間3000円の賛助金をお願いしている。賛助金がどれだけ集まるのか。結果はわれわれスタッフの評価を決める〞成績表〟といえるだろう。読者から及第点をいただける紙面になるよう努力していかなければと、責任の重さを痛感している。
(K)
(2007.9.26 民団新聞)