掲載日 : [2003-02-19] 照会数 : 3137
合同授業も実現 ITで広がる韓・日小学校間交流(03.02.19)
[ 韓国の翰林小の児童と握手する(道明寺南小で) ]
テレビ会議システム利用
大阪府内のネット先進校で
社会科で実践
【大阪】韓日両国の小学校をインターネットで結んだ交流授業が広がりと深まりをみせている。
大阪市立松原市立布忍小学校と韓国・平澤市内の内基小学校は、昨年9月からテレビ会議システムを利用した社会科の国際交流授業をしている。
この事例はテレビ会議による交流授業を一般的な「総合学習」の枠内にとどめず「社会科」の授業として展開したこと、それも韓国―日本という国際交流も含めて展開したのが特徴。
1月まですでに述べ3回実施、「日韓自動翻訳掲示板システム」への書き込みも児童レベルで600回、教員レベルで200回に達するなど濃密な交流が続いている。両校はこれからも専用掲示板をグループ別に10個確保するなど、さらに密度の高い交流を計画している。
松原市内では市立中央小でも昨年10月、仁川市内の小学校とイベント的なテレビ会議を行った。
特殊効果により遠隔地にいる利用者と一つの画像内で同時に握手などできる最新のテレビ会議システム「ハイパーミラー方式」を使った韓日合同授業を行ったのは、大阪・藤井寺市立道明寺南小学校と慶尚南道金海市翰林初等学校。
「国境を越えたクラスメイトづくり」を目指して道明寺南小から85人、翰林小も57人の6年生児童全員が参加した。13日、一般にも公開された。教科は「道徳」。両校とも日本文部科学省発行副読本「心ノート」を使い、「私の原点はここにある」について学んだ。
画面上で握手
道明寺南小側の画面には翰林初等小学校6年生の教室が映し出された。はじめに両校児童が握手を交わすことになった。道明寺南小の児童が画面に向けて手を差し出す。同時に翰林小側からも児童が握手を求めて手を差し出ている。画面では2つの手が本当に握手しているかのような映像が映し出された。
従来のテレビ会議では「相手は見えるが遠い存在に感じる」と指摘されてきた。これに対して「ハイパーミラー方式」は合成された同一の映像を同時に見るため、相手が現実に一緒にいるような臨場感が伝わってくる。
両校は昨年1学期にテレビ会議システムを使ってサッカーワールドカップ共同応援を実施、2学期には翰林小学校の6年生を道明寺南小に招いて「体験入学」の様子をテレビ会議を使って翰林小学校側に実況中継した。「教室を一つに」した今回の韓日合同授業は、6年生の卒業記念交流との位置づけだ。
これら日本の各学校はいずれも文部科学省と総務省が共同で進めている「学校インターネット」事業のモデル校となっている。
事業そのものは03年度で終わるが、地元の教育委員会では韓日両国の交流授業はさらに広がるものと期待している。
(2003.02.19 民団新聞)