掲載日 : [2003-02-19] 照会数 : 3100
青年会が映像史料を大規模収集へ 写真展など計画(03.02.19)
[ 一昨年行われた「歴史を伝える運動」(広島) ]
7月から全国の同胞家庭対象に…中央大会で方針
在日韓国青年会(寿隆中央会長)は15、16の両日、東京・麻布の韓国中央会館で第24回定期中央大会を開き、全国の同胞家庭や図書館、企業などで保管されている同胞に関連する写真をはじめとする映像資料を収集する運動を開始することを決めた。全国の同胞を巻き込んだ大々的な映像資料の収集は同胞社会でも注目を集めそうだ。
在日の歴史一目で
青年会は、解放前の強制連行、徴用、軍需工場での労役や解放後の在日同胞歩みが風化しようとしている現状に憂い、1世世代の生活史を後世に残そうと「われわれの歴史を伝える運動」を01年5月にスタートさせた。運動では、北は北海道から南は九州まで、中央本部メンバーによるキャラバン隊と地元青年が協力して、古老と言われる1世を訪問して渡日から現在までを聞き取り調査してきた。
今回の映像・写真収集運動は、歴史を伝える運動の調査の過程で、古老の聞き取り調査は進んだものの、圧倒的に映像資料が不足していることから、歴史を伝える運動を補完する目的も兼ねる。
運動は7月から9月にかけて全国で一斉に行われる。地元民団をはじめ同胞個人にも協力を呼びかけ、事務所や家庭に保管されている写真などを収集する。特に解放前の徴用工事に関する写真もできる限り集めたいと言う。また解放後も、同胞の集落の状況や生活相が分かる映像を集めたいとしている。
また、新聞社や労務工事を担当した企業などに残されている写真も、できる限り集めていく方針だ。町並みなどは当時との比較の意味でも、現在の同じ場所も撮影する。
全国的に収集が終われば、地方、時期、事象別に整理し、歴史を伝える運動の最終報告書に生かしていく。また、同胞の生活史の写真展を各地方で開催する計画もねっている。
このような大々的な映像資料の収集は、同胞社会でも無かったことで、全国的に数多くの映像資料が集まれば、在日同胞の貴重な映像歴史資料となりそうだ。
青年会では、全国の民団や同胞一人ひとりに写真の提供を呼びかけていくことにしている。
会長らは、「埋もれている貴重な写真が必ず残されているはず。直感的に理解できる写真資料を残すことは、在日同胞の歴史を伝えていく上で大きな力になる」という。
(2003.02.19 民団新聞)