掲載日 : [2003-02-27] 照会数 : 3087
盧武鉉大統領へ在日同胞各界の声(03.02.26)
[ 大統領就任を祝う住民らと握手する盧武鉉大統領 ]
盧大統領就任…「在日」理解より深く
韓日関係…未来志向の維持で
北韓の核開発問題など韓半島情勢が緊張を増す中、25日に就任した盧武鉉第16代大統領に在日同胞社会も大きな期待を寄せている。また、在日同胞各界から韓半島の平和と安定、在日同胞社会と本国との交流強化を願う声なども相次いでいる。
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対北韓政策は包括的解決を
高龍秀さん(42)=甲南大学教授=「参与の政府」を標榜する盧武鉉政権が発足した。政策の決定過程で国民の参加を促すという新政権は、在外同胞政策について在日同胞の意向を最大限吸収すべきだ。
当面、対北韓政策が大きな課題になる。「非核化共同宣言」(91年12月)を南北で発表している限り核問題も南北で議論できる。大胆な経済援助を見返りに包括的な解決に乗り出して欲しい。
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独自の指導力で難題克服へ
張學錬さん(39)=弁護士=新大統領には、太陽政策の単純な承継ではなく、「北」ほか米中日をはじめとする関係各国との十分な調整と独自のリーダーシップによる難題への対応を期待したい。
新大統領の国家リーダーとしての能力については未知数であるが、韓国の更なる民主化の成熟と全国民的なまとまりをもってすれば、いかなる難局をも必ず打開できるものと確信している。
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在外同胞条項の見直し必要
=重度さん(58)=川崎市ふれあい館館長=「在外同胞法」の見直しを急いでいただきたい。在日同胞と在米同胞は歴史的な背景がまったく異なる。単に一つの民族であるという理由で同等に扱う理由はない。双方を一緒くたに扱うことで様々な矛盾も出ている。在日同胞は在米同胞とはきちんと区別し、きちんと扱ってほしい。
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地域感情の解消めざして
丁讃宇さん(52)=演奏家=大学を出ていなくても若者たちの圧倒的な支持を集め、大統領に当選した。韓国のような超学歴社会では快挙だ。しかも、慶尚南道出身でありながら全羅道道民の多くが票を投じた。これもかつてなかったこと。なんのしがらみもない盧新大統領こそ韓国に根深い地域感情の解消に大きな役割を果たしてくれるのではと期待している。
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日本文化開放さらに発展
呉文子さん(65)=文芸誌『鳳仙花』主宰=韓日関係がぎくしゃくするたびに在日同胞は日本で肩身の狭い思いをしてきた。そんなことがないよう文化開放政策をさらに発展させ、未来志向の韓日関係を維持していってほしい。貧困をものともせず、努力で今日の地位を着いた新大統領だからこそ、在日同胞の立場を理解してくれるものと期待している。
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柔軟路線で南北問題に対応
鄭暎恵さん(42)=大妻女子大学助教授=新しい世代を代表する大統領として期待している。南北関係では難しい時期にきているが、現実的で柔軟な路線を取って平和的、民主的、自主的に解決してほしい。
これからは富国強兵の経済ではなく、アジア圏内の共存を大切にしていく努力が求められる。
(2003.02.26 民団新聞)