掲載日 : [2003-05-14] 照会数 : 2332
日本「平和憲法」の行方 韓国主要紙の論調(03.5.14)
■「軍事大国化」の疑惑を招く
■東北アの新たな葛藤要因に
■無謀な「核賭博」が拍車役割
さる3日、日本国憲法が施行されてから56年目を迎えた。憲法改正論議はもはやタブー視されなくなった。韓国マスコミは、同憲法の「平和主義」が問われるなか、与党・日本自民党の憲法調査会が作成した憲法改正素案に注目している。韓国主要紙の社説(5月6日付け、要旨)は次の通り。
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憂慮される改憲方向
日本はすでに自衛隊を世界各地に派遣しており、イラク戦では米国を支援するとしてイージス艦をインド洋に配置した。平和憲法はこのようにその色があせた。
しかし、露骨的に軍事力を増強したり、周辺国に軍事的脅威として登場できないようにするのには依然と有効な装置だ。ところがその憲法すら廃棄しようと自民党が最近軍隊保有、集団自衛権認定などを骨子とする憲法改正素案をまとめたという。北韓核危機など安保不安は増大するのに、いつまで軍隊もなく戦争もできぬ「非正常国家」であり続けねばならないのかとの主張には、原論的に理解できる側面がある。
だが、平和憲法放棄はそうでなくても地球上で最も激しい軍備競争地域である東北アジアを不安定にする行為だ。しかも天皇の国家元首化など改正案は極右・保守化気流に根ざしている。日本は普通国家であろうとする前に、普通国家と認められることをしなければならない。
まず政治・社会の保守主義体質から改善することだ。体質改善なくしては「過去の歴史」から解放されず、過去の歴史からの解放なくして推進される「普通国家」は再び軍事大国化するとの疑惑を呼び起こすしかない。そして、北韓・日関係改善など、東北アジアの主要国家として域内平和体制構築のためにもっと寄与することにより、日本の意図に安心できるようにすべきである。
(京郷新聞)
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「再武装改憲」はいけない
日本の右翼勢力は、イラク戦争および北韓の核開発を口実に、国家安全保障のための改憲の当為性を主張している。特に自衛隊の役割を制限している現行平和憲法では、北韓の核に対処できないという論理だが、一時的な問題を名分として掲げることは、本音は別のところにあることを示している。
自民党が先頭に立っているが、左翼系の政党を除いては与野を問わず改憲不可避論に加担していることも尋常でないようにみられる。もちろん、このような世論づくりにもかかわらず、日本国民の相当数が過去の軍国主義への回帰を警戒しており、改憲案が最終の国民投票で過半数の賛成を得ることができるかは疑問だ。
第2次世界大戦後、現行の平和憲法を採択したおかげで、国防費の負担なく経済復興を果たせた日本は、「経済大国」に成長するや絶えず改憲を通じた「軍事大国」を夢見てきた。自民党が憲法改正草案づくりを急いでいるのは、日本内の右翼勢力の急激な広がりを反映するものであり、隣接国の憂慮を生むに十分である。
日本のこのような動きは、反歴史的だ。彼らは半世紀が過ぎても、軍国主義日本が犯した罪過をありのままに認めることさえしていない。そのような日本が再武装することは、直ちに東北アジアの秩序を脅かし、韓国、中国など周辺国家の武装強化を呼ぶだけである。国際社会に新たな葛藤の要因を作ることは、日本にとっても決してよいことではない。(東亜日報)
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北は口実を与えるのか
日本で最近、北韓の脅威を口実に軍事力を強化し、その使用範囲を拡大する方向の改憲の動きが推進力を得ているのは極めて警戒すべきことだ。 自民党内の憲法調査会が日本の軍事力保有を明記し、首相が非常事態を発動、軍隊を動員可能にする内容の改憲素案をまとめたという「毎日新聞」(日本)の報道は、日本内で改憲を既定事実化するさまざまな流れのうちの1つにすぎない。
「平和3原則」を規定した憲法第9条の修正を核心とする日本の改憲論は、国際政治環境の変化と、国内の理念的動向によって、浮沈を繰り返してきた。しかし、懸念すべきことは、最近の尋常でない気流には北韓の脅威が決定的契機として作用しているという事実だ。
日本人拉致事件の実相を確認した日本人は、北韓政権をそれこそ「悪の枢軸」とみなしている。そのような北韓が核とミサイルで攻撃する場合にも、日本はじっとしていなければならないのかという改憲派の攻勢が、国内世論を改憲の方向に動かしており、国際的にも北韓の核は、核を含む日本の再武装を原則的に禁忌視してきたその間の視角に、微妙な変化をもたらしている。
口さえ開けば日本「帝国主義」を非難して警戒する北韓が、無謀な「核賭博」で日本の再武装をせき立てるという愚を犯しているのは、悲劇的なアイロニーだ。
韓国政府も、韓半島と東北アジアの平和体制維持のための新たな戦略的ビジョンを構築できないまま、いたずらに韓米同盟関係の弛緩をもたらし、結果的に、東北アジア情勢全般の流動性を増加させ、日本を平和憲法放棄の誘惑に駆り立てた側面がなかったかどうか、振り返ってみる必要がある。(朝鮮日報)
(2003.5.14 民団新聞)