ラーメンブロガーも絶賛
韓国内で即席ラーメンが初めて生産されたのは1963年。半世紀を経て韓国の即席ラーメンがグローバルヒット商品に成長した。現在100カ国余りに輸出。業界関係者は「メイド・イン・コリア製品の中で、自動車やスマートフォンと比べても遜色がないほどグローバル競争力のある製品がまさにラーメン」と指摘し、「麺からスープ、だし汁、容器までと絶え間ない革新があったからこそ実現できた」と強調する。
「完璧だ。麺は薄くてコシが強く、辛い味と濃厚なだし汁、野菜と黒ゴマ、ピーナッツフレークはよく組み合わさっている。ひと言でデラックスな味の世界だ」
世界的な即席ラーメンブロガーのハンス・リーネッシュ氏(米国)は先月、自身のブログで「今年の即席ラーメントップ10」を挙げながら、このような評価を残した。同氏の絶賛を受けて1位になったのは、韓国の農心「チンチャチンチャ」(真の本物)だった。このほかに辛ラーメン・ブラックやインスタント・チャジャン麺、辛ラーメンなどトップ10のうち4つを韓国製品で占めた。
韓国内で即席ラーメンが初めて生産されたのは、三養食品が日本の明星食品と合弁で国産化に成功してからだ。2年後にロッテラーメン(現農心)が参入して国内ラーメン業界は激しい競争に入った。特に農心は創立時から技術研究所を設立して品質競争でリードしてきた。同研究所が70年代に出した「牛肉ラーメン」は味付けした麺と鶏のだし汁で味を出し、ラーメン市場に大変化をもたらした。
農心はこの製品だけで年間売上が前年の3倍近くに増加した。農心関係者は「牛肉ラーメンの成功は、日本のラーメンをそのまま模倣する慣行から抜け出し、韓国人の口に合った新しい味を開発してこそ、市場拡大の可能性があるという教訓を得た」と説明した。
カップ麺も競争と革新を通してグローバルヒット商品になった。72年に初登場した容器はコップ形で発売された。しかし「器を手に持って食べる」ことがタブーの韓国にとって、消費者からそっぽを向かれた。以来80年代に入り農心は、韓国人になじむ、どんぶり形の容器に改良し、「礼儀正しく」食卓の上に置いて食べられる「ユッケジャンカップラーメン」を発売して市場を席巻した。
現在のようにコンビニがなかった当時、韓国では家でなければお湯を手に入れるのは容易でなかった。このため、ラーメン会社の営業社員は全国の小売店に温水器を運び入れるほどの誠意を傾けた。86年ソウルアジア大会と88年ソウル五輪を経て、カップ麺はメーンのファストフードに成長し、ユッケジャンカップ麺はカップ麺市場で60%を占める代表商品となった。
「インスタント・チャジャン麺(チャパゲティ)」は異種製品をラーメン市場に引き込んだ。70年代、誕生日や卒業式などのような特別な日に食べる外食メニューの定番はチャジャン麺だった。農心はこのチャジャン麺を即席麺に開発するため、当時ソウルで最も有名な中華料理店だった「雅叙園」のコック長を招き料理法の指導を受けた。
麺とだし汁を中心に行われた競争は80年代に入りスープに拡大した。農心は82年当時、資本金の2倍に達する40億ウォンをかけて京畿道の安城にスープ専門工場を建てた。翌年発売した「安城湯麺」、韓国を代表する辛口麺の「辛ラーメン」、海鮮味を添加した「ノグリ」などは国内外で大人気を呼んだ。
農心では、イタリアのパスタ製造工法を活用した麺に天然食材の風味を生かした新製品を発売する計画だ。
1人あたり消費量1位
韓国人の1人あたりの麺消費量が年間9・7㌔と世界トップであることが分かった。
22日、ブルームバーグの市場調査機関「ユーロモニター」の資料によると、昨年韓国人の麺(パスタを除く)消費量は1人あたり9・7㌔で前年比、0・8%程度増加した。1人あたりの麺消費量上位10カ国は全てアジアだった。
2位は日本の9・4㌔、次いでインドネシア(5・8㌔)、中国(5・0㌔)、ベトナム(4・7㌔)、香港(4・1㌔)の順。また、上位10カ国中、8カ国が前年より増加し、アジア人の「麺好き」が浮き彫りとなった。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリストは「アジアの麺消費量は世界の85%を占めており、昨年の麺売上は418億㌦に達する」とし、アジア麺市場成長の影響を受ける企業としてアジア10大ラーメン会社であるインドネシアのインドフード・サクセス、日本の東洋水産、韓国の農心を挙げた。
資料では韓国人の食事代用食、MRM(ミールリプレイスメント)の消費も急増したことが分かった。韓国人の昨年1人あたりの食事代用食消費量は前年比15・1%増の1人あたり0・25㌔で、米国、カナダ、ノルウェー、香港に次いで世界で5番目に多かった。韓国人の食事代用食消費は13年には前年比21・5%、12年には同21・8%増と右上がりだ。
(2015.3.25 民団新聞)