掲載日 : [2021-04-14] 照会数 : 4274
ソウル、釜山市長選 野党が圧勝…41の行政区すべて制す
[ 呉世勲新ソウル市長(左)と朴亨埈新釜山市長 ]
来年3月の韓国大統領選の前哨戦と位置付けられるソウルと釜山の市長を選ぶ再・補欠選挙(7日投開票)の開票が8日終了し、両市とも保守系最大野党「国民の力」の候補が圧勝を収めた。ソウル市長職の奪還は10年ぶり。一方、革新系与党「共に民主党」はこの5年間、全国規模の選挙で連勝してきたが、来年の大統領選と政権維持に暗雲が立ち込め始めた。
中央選挙管理委員会によると、首都ソウルの市長選は国民の力の呉世勲元ソウル市長(60)の得票率が57・5%、共に民主党の朴映宣前中小ベンチャー企業部長官が39・2%だった。呉氏はソウル市25区すべてで朴氏を上回り、18・3ポイントの差をつけて圧勝した。中でも江南区での得票率は73・5%と、朴氏のほぼ3倍だった。
第2の都市の釜山市長選も、国民の力の朴亨埈新釜山市長候補(61)が62・7%の票を集め、共に民主党の金栄春候補(34・4%)に30ポイント近い大差をつけて破った。朴氏も釜山市16区すべてで金氏を上回った。
投票率はソウル市長選が58・2%、釜山市長選は52・7%だった。平日に実施されたにもかかわらず、広域自治体首長の再・補欠選挙としては初めて50%を超えた。
両市とも、与党の前市長がセクハラ問題で空席になったが、不動産政策の失敗、宅地開発などを手がける公共機関の職員による投機目的の不正な土地購入疑惑も重なり、市民の怒りが高まり、現政権に対する「審判」として与党惨敗という結果になったと分析される。
これを受けて文在寅大統領は8日、「国民の叱責を重く受け止め、より低姿勢で、責任感を持って国政に臨む」とコメントした。
他地域も野党が圧倒
今回は21の再・補欠選が行われ、ソウル、釜山の両市以外でも野党が圧倒した。蔚山市南区と慶尚南道宜寧郡の首長選と、広域・基礎自治体議員の再・補欠選のうち12で野党候補が当選した。共に民主党候補の当選は全羅道の4つの議員選にとどまる。
ソウル市長に当選した呉氏は「山積した課題を迅速に解決し、苦境にある多くの市民を支えよという至上命令に従う」と述べた。
釜山市長に当選した朴氏も「さまざまな困難にも揺るぎない声援を送ってくださった市民に仕える、良い市政で応える」とした。
両氏は8日から赴任した。任期はいずれも来年6月まで。
(2021.04.14 民団新聞)