掲載日 : [2010-03-10] 照会数 : 4115
対日審査会合で在日の人権も幅広く 国連人種差別撤廃委
無年金、参政権、教育、雇用…
国連の人種差別撤廃委員会(事務局・ジュネーブ)は、日本において人種差別撤廃条約がどの程度守られているかを審査する会合を2月24、25の2日間、ジュネーブで開いた。同委員会の対日審査会合は01年以来、9年ぶり2度目。
日本からの情報提供を兼ねて傍聴に駆けつけた複数の人権NGO関係者によれば、無年金、地方参政権、教育、雇用など在日の人権状況も幅広く取り上げられた。無年金問題は、カリツァイ委員が質問した。これに対する日本政府の答弁は、これまでの政府答弁の域から出ず、「不誠実な」ものだった。
ほかの委員からは、包括的な差別禁止法の制定や、在日外国人やアイヌ、被差別部落など、差別の対象になりやすい少数者の代表との対話促進を求める声があいついだ。これに対して、日本政府側は、「日本では新たな立法が必要なほど人種差別が蔓延しているとは認識していない」と答えた。ある人権NGO関係者は「予想どおりとはいえ怒りを感じた」と語った。
ただし、独立した国内人権救済機関については「創設を検討している」とのこと。人権人道大使は、「現時点ではスケジュールは確定していないが、早期に法案を提出するつもりである」と明らかにした。審査結果と勧告は今月中旬に公表される見込みだ。
条約で人種差別は「政治、経済、社会、文化的またはその他のすべての公の生活分野において…人種、皮膚の色、門地又は民族的出身に基づくあらゆる区別、除外、制約または優先をいう」と幅広く規定している。この条約の採択の背景には、60年前後のヨーロッパ社会における新しいナチズムの台頭があった。植民地支配から独立したアフリカ諸国の国連加盟も後押しした。
(2010.3.10 民団新聞)