夜間中当時の作文も 同胞高齢者施設「さらんばん」
【大阪】在日3世の鄭貴美さん(53、大阪市)が東大阪市を拠点に在日同胞高齢者の福祉活動に取り組んで10年。これまで寄り添ってきた1世の女性40人以上からこつこつ聞き取ってきた在日史を冊子(400㌻)にまとめた。また、オモニたちが夜間中学で書いた作文も盛り込んだ。
鄭さんは、「家族にも自分の親の歴史、ほんとうの苦労を知ってもらいたかった。2世や3世には親の歩んできた確かな歴史をしっかりと継承し、日本社会に伝えていく役割がある」と話している。
夜間の識字学級を卒業してから行き場のなくなったお年寄りたちのためにと01年、東大阪市に街角デイハウス「さらんばん」を自主開所したのが始まり。翌年には近隣に姉妹施設となる街かどデイハウス「あんばん」も開設、東大阪市から助成を受けるようになった。
「さらんばん」、「あんばん」に通うお年寄りたちは、「こんなこといままで誰にも言うたことないのに」と言って、ぽつりぽつり重い過去を語るようになった。鄭さんはその都度、メモをとり続けてきた。
(2011.4.27 民団新聞)