植民地時代に日本に持ち出された「朝鮮王室儀軌」(朝鮮朝時代の祭礼や主要行事を絵や文で記録した書物)などを韓国に引き渡す韓日図書協定が4月28日の日本衆院本会議で、民主、公明、共産、社民党の賛成多数で可決した。
同協定は参院に送付され、今月中旬にも承認、発効し、21、22日に東京で開かれる韓日中首脳会談のために来日する李明博大統領に「朝鮮王室儀軌」の一部が引き渡される見通しだ。遅くとも6月下旬には引き渡し作業が終了する予定。
協定批准のための作業を主導してきた権哲賢駐日大使は同日、「すぐにでも批准されると思っていた協定が、自民党の一部の反対などでずっと延ばされ、苦労が多かった。しかし、過去のいつよりも強く構築された両国関係が結局、図書返還を可能にする土壌になった」と述べた。また「東日本大地震と福島第1原発事故の国難を迎えている中で、日本政府・国会が図書協定批准に力を注いでくれたことには心から感謝している」と表明した。
引き渡しは菅直人首相が昨年8月に韓日強制併合100年に際しての談話で表明。同年11月の韓日首脳会談で合意し、両国外相が宮内庁が所蔵する1205冊に限って引き渡す協定に署名した。
外交通商部報道官は28日の定例記者会見で、図書協定が日本衆院本会議で可決されたことについて「貴重な文化財が一日も早く戻ってくることを願う」とし、これを契機に、韓日間での文化交流が一層進むことへの期待を示した。
(2011.5.11 民団新聞)