【大阪】韓国在住の被爆者ら3人が1日、海外在住を理由に被爆者援護法に基づく医療費を全額受給できないのは不当として、大阪府と国を相手取り、医療費自己負担分の支給申請を却下した大阪府の処分取り消しと1人あたり110万円の慰謝料を求めて大阪地裁に提訴した。医療費をめぐっての在外被爆者訴訟は全国で初めて。
訴えたのは広島市で被爆した李根睦さん(87)と李洪鉉さん(65)、昨年7月死亡した男性(90)の長男の3人。原告3人は今年1月、府に原爆症の治療のため韓国で自己負担した医療費を支給するよう申請した。過去5年間に自己負担した総額は3人合わせて1659万ウォンにのぼる。これに対して、府は3月、「在外被爆者への医療費支給を認める規定はない」として却下した。
日本の原爆被害者支援法は在外被爆者に適用されない。日本政府は2004年度から在外被爆者保険医療助成事業にもとづき年間16〜17万円(10年)を支援しているが、この上限を超えると自己負担となる。李洪鉉さんは腎臓が悪い。90年に移植手術を受け、今年に入ってから人工透析を始めた。医師から2度目の腎移植を勧められたが、約1億ウォン(約700万円)かかるため悩んでいるという。
原告代理人の永嶋靖久弁護士は、「在外被爆者は05年から来日しなくても健康管理手当や葬祭料を申請できるようになったが、医療費支給の格差は残された最後の課題」と話している。
(2011.6.8 民団新聞)