来年度から使用される自由社版中学歴史教科書に掲載されている年表が、東京書籍発行の02年版教科書と酷似していることがわかった。東京に事務局を置く市民団体「子供と教科書全国ネット21」が13日、横浜市内で記者会見し、明らかにした。
両教科書の記述内容を比較した教科書ネットによれば、「日本のおもなできごと」約180項目のすべてで出来事の選択が一致した。違いといえば、東京書籍が「大和国家」としたところを「大和朝廷」に、「太平洋戦争」を「大東亜戦争」と言い換えた程度。
同ネットの俵義文事務局長は、「丸写しで盗用した可能性が高い」と指摘。「他社が改良を重ねて築いた成果を勝手に使うことは大問題だ」と述べた。これに対して「つくる会」会長で自由社版教科書の代表執筆者も務める藤岡信勝さんは、酷似の事実を認めたうえでおわびを表明、「来春の使用開始までに年表をつくり直す」と話している。
(2011.6.22 民団新聞)