日本の植民地統治時代、韓半島から収奪された大倉集古館所蔵の「利川五重石塔」が東日本大震災の影響で毀損していたことが明らかになった。利川五重石塔還収委員会は17日、石塔を所蔵・管理する東京・港区の大倉財団を訪ね、韓日の専門家による共同調査と迅速な復旧を求めた。
同還収委員会によれば、石塔は4〜5層の塔身が割れ、屋蓋石が約25センチねじれてしまった。今後も余震が続けば屋蓋石が落ち、4層以下も破損する可能性が高いことが明らかになっている。17日現在、大倉財団では「修理に膨大な費用が予想される」としてブルーシートで覆い、なんら応急措置を行っていない。
還収委員会の韓丙日さん(韓国文化保存研究院長)は、「本来石塔は寺の中央、風通しのいい場所にあるもの。ところが、大倉集古館では水はけの悪い裏庭にあり、風通しも悪い。屋根の雨水が直接あたって石塔が変色、剥離、剥落などが進んでいる。現位置ではきちんとした保存は不可能だ」と指摘した。
還収委員会の共同調査の申し入れに対して、大倉財団側は消極的な姿勢を示している。
(2011.6.22 民団新聞)