【神奈川】指紋押捺制度の撤廃をめざして立ち向かった80年代在日同胞の捨て身の闘争を収めたドキュメンタリ―映画「指紋押捺拒否」(呉徳洙監督作品)が、4半世紀ぶりにDVD化された。完成を記念、84年11月に制作された「指紋押捺拒否」第1部が17日、川崎市ふれあい館で上映された。これは同館主催「人権講演会」の一環だ。
オープニングはめらめらと燃え上がる外国人登録証の映像。在日同胞青年が語る拒否の理由は管理と抑圧への拒否感で満ちている。法務省は拒否者には再入国許可を認めないという報復措置に出た。当時、高校生だった辛仁夏さんは一度は拒否したものの米国留学の夢を実現するため、泣く泣く押捺した。映画は辛さんの憂いに満ちた表情をアップでとらえ「指紋押捺とはなんだったのか」を静かに問いかける。
上映会席上、重度さん(社会福祉法人青丘社理事長)は、「いまでもまったく古さを感じさせない」と述べた。辛さんも「26年前の熱い思いが再びよみがえってきた」と感慨に浸っていた。
外国人登録法は来年夏の改訂入管特例法の施行に伴い、廃止される。だが、一般永住者への管理と抑圧はさらに強まる見込み。呉監督は、「反外登法の闘いを次代に引き継ごう。5,6人単位の小さな勉強会で使ってほしい」と呼びかけている。
DVDは2枚組4800円。制作委員会(TEL・FAX042・480・2538)OH企画内。
(2011.6.22 民団新聞)