【神奈川】関東大震災時、同胞180人を保護した吉沢保三・田島町長に当時の「川崎鮮人親友会」が贈った銀杯がこのほど、孫の吉沢庸子さん宅(川崎区大島)から見つかった。銀杯の中央に団体の略称と思われる「KSS」の刻印。銀杯を収めていた桐の箱には授与に至る経緯が吉沢町長自身の手で記されている。
震災当時、臨海部工業地帯の中心だった田島町には約300人の同胞が居住していた。市民の不穏な動きを察知した吉沢町長と栗谷三男助役は震災の翌日、川崎区渡田2丁目の新田神社に180人を保護。その後、学校校舎の倒壊材料を利用してバラック5棟を建てて「収容保護」した。
銀杯を確認した飯塚正良市議は、「流言に惑わされず、市民の生活を大事にする姿勢こそ、私たちが追い求めなければならない」と話している。
(2011.9.7 民団新聞)