【大阪】百済から渡来し、日本に漢字(千字文)と儒教を伝えた王仁博士の墓地とされる大阪府史跡「伝王仁墓」(枚方市藤阪東町)の入り口に「百済門」がお目見えしてから今年で5年。建立に関わった社団法人韓日文化親善協会(尹在明会長)が15日、同会の創立35周年と合わせて記念式典を同所で開催した。主管は「王仁塚の環境を守る会」(吉留一夫会長)。
百済門は全羅道から建設用の石材や木材を運び、専門の宮大工が伝統様式に則って06年に建設した。丹青の色も鮮やかな門は、観光客や修学旅行生たちに百済から渡来した王仁博士の存在を強く印象づけてきた。
金碩基駐大阪総領事の祝辞に続き、枚方市の竹内脩市長が「百済門は韓国と日本両国の懸け橋として多くの人に親しまれています。これからも大切に守っていきます」と述べた。
式典に先だって、日本側の実行委員長を務めた金有作さん(京都王仁ライオンズクラブ、民団京都常任顧問)ら両国の建立関係者の名前を刻んだ銘板の除幕式も行われた。また、「守る会」の吉留会長には、尹在明会長、および東京・宝塚・京都の各王仁ライオンズクラブから「香燭料」として金一封が贈られた。
吉留会長は85年に「守る会」を立ち上げ、墓の周囲を整備して無窮花の苗木を植樹し、王仁博士の生誕地である全羅南道霊岩郡と交流を重ねてきた。
(2011.10.19 民団新聞)