ドイツ・フランス、ドイツ・ポーランド
東アジア、ヨーロッパ、中東の各地で2国間・多国間歴史教育にたずさわる各団体の代表が一堂に会した「国際歴史教科書ワークショップ」が10月22、23の両日、東京大学駒場キャンパス内の学術国際ホールで開かれた。同ワークショップでは東アジアにおける韓日2国間、韓日中3カ国間の共通歴史教材もテーマに、共通教科書づくりの現状と課題、今後の展望などを話し合った。
国際教科書会議を呼びかけたのは、ドイツ・フランス、ドイツ・ポーランドといったヨーロッパにおける2国間歴史教科書の作成に中心となって関わってきたドイツのゲオルク・エッカート国際教科書研究所のエッカート・フックス副所長。
韓国と日本、中国の研究者、歴史教育者もドイツを中心とするヨーロッパの「教科書対話」に直接的な影響を受けてきただけに、2国間、3国間の共通歴史副教材の作成に関わってきた韓国の東北アジア歴史財団(鄭在貞理事長)や日本の非政府組織、ピースボートなどが主催団体に加わった。
ドイツをはじめとするヨーロッパの共通歴史教科書は、長い時間をかけて対話を重ね、ようやく完成に至った。各国政府も必要性を感じたからこそ実現したといえる。 一方、韓国、日本、中国では政府の協力は期待できないため、教科書ではなく副教材としての位置づけだ。民間の歴史教育者や研究者が対話を重ね、ヨーロッパに比べて比較的短期間で発刊にこぎつけることができたという違いがある。
韓国、日本、中国の民間による3国共通の歴史副教材『未来を開く歴史‐東アジア3国の近現代史』の編集に日本側を代表して加わった笠原十九司さん(都留文科大学名誉教授)は、東アジアで何があったかという「歴史事実の認識」という点では「初歩的な一歩」を達成できたと、成果を強調した。
中国社会科学院近現代史研究所の歩平教授は、次の課題として、自国史観を超えた東アジア史観の構築を挙げた。これについて、延世大学で東アジアの歴史問題を研究している辛珠柏教授は、3カ国間の「歴史対話」の重要性を強調しながら、「地域としての東アジアのアイデンティティーをさらに確固たるものにしていこう」と呼びかけた。
『未来を開く歴史』は新しい歴史教科書をつくる会に対抗。韓国、日本、中国の研究者、歴史教育者、市民などが参加して02年から編集作業が始まり、05年に完成した。日本での実売数は8万5400部。大学では10数校がテキストとして使用している。3カ国合計では30万冊以上が販売されたという。
来年の春には歴史認識共有の第2段階を目的とした「新書」を3カ国同時に発行する。
(2011.11.2 民団新聞)