懸案の校歌づくりに奔走
【大阪】母校の大阪府立桃谷高校の後援会会長として、創立45周年記念事業実行委員長を担う朴正泰さん(64、天王寺区)。記念事業の目玉として、懸案だった同校初の校歌を完成させた。26日に大阪市内のホテルで開く式典で初披露する。
歌詞は生徒から公募し、作曲は友人のバンド仲間に「とにかく元気の出る歌を」と依頼した。できばえには学校長も満足の表情。サッカー全国大会でいい成績を収めても表彰式で校歌を歌えなかった生徒に歓迎されそうだ。
大阪市生野区生まれ。中学卒業後、家計を助けるため、写真植字社に勤務しながら大阪市立南第2高校定時制に通った。技術を習得するために残業はいとわず、1カ月に100時間を超えたことも。結局、学業と両立できず3年で中退した。
桃谷高校は大阪府立唯一の通信制・定時制高校。大阪写真植字工業協同組合の理事長に就任したのを機会に、高校だけは出ておこうと決意。44歳にして桃谷高校の「定時制」に編入し、2年間学びなおした。ハングルも桃谷高校の選択科目で学び、読み書きに不自由がなくなった。「授業は楽しく、知識が増えることで心が豊かになるのを実感した」。
後援会会長就任は5年間固持し続けてきたが、朴さんのパワーを見込んだ学校長直々の要請とあってようやく引き受けたという。
(2011.11.23 民団新聞)