【山口】海底炭鉱としては日本最大だった長生炭鉱の崩壊から今年で70周年。事故現場に近い宇部市長生海岸で5日、韓国人犠牲者遺族がチェサ(祭祀)を行った。韓国遺族会のメンバーのひとりは「陸もこんなに寒いのに、冷たい海の中はいかばかりか。どれほど恐ろしく、孤独だろうか」と号泣した。
事故は42年2月3日、炭鉱付近から約1㌔の海底で発生し、坑道が浸水した。炭鉱は一瞬のうちに崩壊、韓国人鉱夫136人を含む183人が犠牲となった。チェサを終えた遺族は宇部市文化会館で開かれた追悼集会に臨み、1日も早い遺骨の発掘と追悼碑建立を訴えた。
集会には遺族を含め関係者約250人が参加した。集会を主催した「長生炭鉱の『水非常』を歴史に刻む会」の山口武信代表は、「大戦中の海底炭鉱の事故でこれほどの韓国人が亡くなった事例はない。真の歴史を紡ぎ出し、真の平和を作り出すことを願う」と述べた。
来賓の駐広島韓国総領事館の辛亨根総領事は、「県や市、そして日本政府には誠実な対応を要請している」と報告。遺族のひとりで、父親を亡くした全錫虎さんは、解放後も貧困で苦労したことを話し、「当時を思い出すと、悔しくてしょうがない。1日も早く追悼碑が建ち、そこで追悼式が行える日が来ることを願う」と訴えた。
(2012.2.22 民団新聞)