在日韓国人貴金属協会(金眞会長、東京都台東区)は、同事務所で会員子弟を対象にした独自の「韓国語学校」を運営している。開講から8カ月が経過したいま、読み書きのまったくできなかった子どもも自らすすんで黒板に習い覚えたハングルを書くようになった。
子どもたちは韓国から来日して間のない両親のもとで育ち、韓国語の日常会話は不自由ない。しかし、多くが日本の学校に通い、読み書きとなると日本語優先。危機感を感じた金会長が韓国人としての自覚を育まなければと、「学校」の開設を決めた。
未就学児を対象とした「幼稚部」、読み書きの初歩を学ぶ「初等部」、実践的な作文を学ぶ「中等部」の3クラス編成。合わせて45人が登録している。東京韓国教育院から派遣された講師の崔美蘭さんは、イラストカードなど、様々な小道具を用意して子どもたちの意欲を引き出す。課題をこなした子どもにはノートに「最高」のスタンプ印を押している。
同協会の権寧君事務局長によれば、会員の約3分の1は貴金属加工技術で経済的な基盤を確立し、日本での永住を希望しているという。こうした永住志向の高まりとともに、子弟に対する民族教育の必要性が高まっている。
(2012.2.22 民団新聞)