掲載日 : [2003-07-17] 照会数 : 6679
「江藤妄言」に抗議 撤回と謝罪を促す(03.7.16)
[ 抗議文を手渡す徐元国際局長 ]
民団中央本部は14日、「韓国併合を国連が承認した」とした自民党の江藤隆美議員の議員事務所を訪れ、同「妄言」の撤回と謝罪を求める徐元国際局長名の抗議文を手渡した。民団側からは徐国際局長のほか、鄭夢周事務総長と丁栄哲文教副局長が同席。江藤事務所からは不在の議員に代わって三野晃秘書が応対した。
日本の一部全国紙の報道によれば、江藤議員は12日、福井市内で開かれた自民党支部定期大会で講演。このなかで1910年の韓国併合について国際連盟の発足前にもかかわらず、「両国が調印し、国連が無条件で承認した。90年たったらどうして植民地支配になるのか」と語った。
徐国際局長は「韓国国民は傷ついた。在日韓国人として座視できない。発言を撤回し、事実であれば謝罪するべきだ」と迫った。これに対して三野秘書は事実認識の誤りについては認め、「『国連』は『国際社会』というつもりだった」と釈明した。発言の撤回と謝罪の要求については議員に伝えると約束した。
席上、鄭事務総長は、江藤議員が中国や韓国などからの不法滞在者すべてが犯罪人と誤解されそうな発言をしたことにも「外国人蔑視につながりかねず、在日韓国人として憂慮している」と、発言の修正を求めた。
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青年会中央本部も
「江藤妄言」に対しては、青年会中央本部も15日、寿隆会長ら代表が江藤議員事務所を訪れ、撤回と謝罪を求め、「抗議文」を手渡した。
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きわめて遺憾…外交部当局者論評
【ソウル】日本の与党・自民党の元老格である江藤隆美・元総務庁長官の「妄言」(12日)と関連して政府は13日、「日本執権自民党の責任ある政治家が、誤った歴史観をもとに、時代逆行的な発言を繰り返し、いつも問題を引き起こしていることに、深く失望し、嘆きを禁じ得ない」との外交通商部当局者の論評を発表した。
同論評は「問題の発言が、韓日の友好関係はもちろん、日本自らのためにも望ましくないという点を明確にしたい。また、過去に対する正しい歴史認識なくしては、韓日関係の真の発展はありえない」と強調した。
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「江藤妄言」抗議文
江藤隆義議員への徐元・民団中本部国際局長名の抗議文の全文は次のとおり。
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貴殿は、去る12日、福井市内で開かれた党支部定期大会の席上、1910年の韓国併合について、「両国が調印し、国連が無条件で承認した。90年たったらどうして植民地支配になるのか」という趣旨の荒唐無稽な持論を展開しました。その時代には、国連が発足していないという基本的事実すら把握できず、誤った歴史認識を自ら晒しました。
貴殿は1995年10月にも、日本の韓国植民地支配について「日本はいいこともした」と発言し、閣僚を辞任した経緯がありますが、繰り返される貴殿の妄言に対して、私たち在日韓国人は強い怒りを禁じ得ません。
貴殿の妄言は、植民地支配を反省する意思のないものであるばかりか、過去の不幸な韓日関係についての日本政府の公式見解から大きく逸脱する無責任極まりないものと言わざるを得ません。
周知の通り、昨年、韓日両国は史上初のサッカーワールドカップを共催し、政府レベルはもちろん、市民レベルの交流の高まりを背景に同事業を大成功に導きました。そして、過去のどの時代よりも韓日両国は友好関係が保たれています。世界が強い懸念を表明している北韓の核問題解決についても、共同歩調で対処することを確認しています。
このような重要な時期に、貴殿は何の意図があって、真摯な交流を続ける両国国民に冷水を浴びせ、韓国に不信感をもたらすのか、真意が理解できません。
また、不法滞在者すべてが犯罪人であるかのように発言したことは、外国人への偏見をいたずらに助長する人権侵害の危険があるものとして到底黙過できません。
去る5月、盧武鉉大統領の訪日直前にやはり自民党の要職にある麻生太郎議員が「創氏改名」にいたる事実を歪曲して物議をかもしましたが、政府与党の自民党幹部による相次ぐ暴言、妄言の根幹には、抜きがたいアジア蔑視があると言わざるを得ません。
日本帝国時代に深く傷つけられた韓国民と、植民地支配によって差別と蔑視のなかで呻吟してきた在日韓国人に対し、貴殿は自ら進んで妄言を撤回し、即刻公式の場で謝罪するよう強く抗議するものです。
(2003.7.16 民団新聞)