
【兵庫】在日韓国人の主宰する「デイサービスセンター・ハナの会」(金宣吉理事長、神戸市長田区)はひときわにぎやかなデイだ。スタッフには在日韓国人と日本人のほか、モンゴル人、ペルー生まれの日系人、中国人、ベトナム人もいる。使用言語は韓国語と中国語、そして関西弁が重なり合う。それぞれの個性(民族性)を認め合う、真の共生の場を目指している。
スタッフに中国残留邦人や留学生も
カラオケ大好きなある利用者。歌い終わると決まって「サンキュー・ベルマッチ」と締めくくる。不思議に思ったスタッフが聞いた。「どこかで英語を習われていたのですか」。すると、「ここのペルーのねえちゃんに教えてもらったんや」と答えた。さらに、「ここのデイは世界のデイや。みんな優しいし一生懸命なところがいい。ここを選んでよかったわ」と感想を語った。
神戸は港町で、各国の人々が共に暮らす。年月を重ねるうち高齢化しつつあることから、昨年8月以降、中国残留邦人や各国の留学生がスタッフとして参加するようになった。スタッフの1人で看護師の山根香代子さんは、「少しずつ、在日韓国人以外の高齢者も利用し始めています」という。
在日1世の利用者、盧順 さん(95)は毎朝、朝日新聞「天声人語」を読み、「般若心経」を書写して心をスッキリさせてから通ってくるのが日課。利用者仲間のハルモニ(93)を相手に「ここで花札をしているときがいちばん楽しい」という。
「ハナの会」は阪神大震災で被災した在日同胞高齢者の居場所づくりを目指して99年にスタートした「KOBEハナの会」の活動を引き継ぎ、特定非営利活動法人神戸定住外国人支援センターが05年に開設した。金理事長は、「長田区は在日韓国人と在日中国人、そしてベトナム人が多く暮らしてきました。移民の町といわれる神戸で、多文化の場をどう発信していくのか。いまも手探りを続けています」と話す。
定員は20人(1日あたり)。新長田駅近くにあるビルの1室を借りて月曜日から金曜日まで運営している。利用者は近場ばかりか、神戸市西区からも通ってくる。
(2012.5.30 民団新聞)