解放前から解放後にかけて全羅南道木浦市で3000人近い孤児の養育に半生を捧げた日本人、田内千鶴子(韓国名、尹鶴子)さんの生誕100周年にあたる今年、田内さんの遺志を継いだ記念事業が韓国と生地の高知県で開催される。
韓国では10月29日からの3日間、ソウルと木浦市一帯で国連「World Orphans Day(世界孤児の日)」制定推進大会(尹鶴子生誕100周年記念大会組織委員会主催)が開催される。「孤児の少ない社会」は田内さんの念願だっただけに、10月29日、ソウルで開く国際学術会議で「世界孤児の日」の制定を国連に働きかける意義を確認し、最終日の31日には木浦で「国連制定推進宣言」を採択する。
一方、高知県では、7月に田内さんの生涯を描いた映画「愛の黙示録」(95年)の上映会、10月には木浦への訪韓団派遣、11月には記念式典も予定している。これに先だって今年2月には県庁で「田内千鶴子生誕100周年記念事業実行委員会」が設立されている。設立会には民団高知本部(文基守団長)も「世話人」として出席した。
生地、高知市内の若松町には田内千鶴子さんの記念碑が建立されている。建立を機会に高知県と全羅南道は03年に観光・文化交流協定を結び、さらに09年には産業交流協定も交わしている。
「世界孤児の日」制定へ…記念事業会発足
国連での「世界孤児の日」制定を目指して「田内千鶴子生誕100周年記念事業会」が、韓国に続き、東京でも5月23日に発足した。韓国から推進委員長の柳在乾弁護士(韓国ユネスコ協会連盟会長)、推進委員会顧問で国際韓国研究院の崔書勉理事長、李洛淵韓日議員連盟幹事長らが出席した。
田内さんの遺児、尹基さん(社会福祉法人こころの家族理事長)が、制定を目指す運動の意義を訴え、高知県の尾崎正直知事が、「日韓関係の強化につながる」と協力を表明した。また、小渕千鶴子元首相夫人は、小渕首相が在職中、映画「愛の黙示録」を見て感動し、木浦共生園に梅の苗木を贈ったというエピソードを披露した。
(2012.6.13 民団新聞)