
「流言蜚語」の裏に官憲
市民団体が資料集第3集発行
関東大震災時の東京での朝鮮人虐殺事件を、目撃証言などで浮かび上がらせた資料集の第3集が完成した。東京・墨田区の荒川河川敷で毎年、朝鮮人犠牲者を追悼している市民団体「遺骨を発掘し追悼する会」が発行した。テーマは「流言蜚語」(A4判100㌻)。
関東大震災が起きた1923年当時はラジオがまだ普及せず、新聞も一時的に発行不能に陥った。情報が途絶え、余震と火災の広がりに脅えるなか、官憲がもたらした「朝鮮人が大挙押し寄せてくる」といった流言は、被災者の間に瞬く間に広がっていった。それだけ、影響力が大きかったともいえる。
目撃証言を総合すると、流言は震災発生の当日から伝わった。特に皇居のある中央部や大使館の集中する中央南部、朝鮮人・中国人の集住していた南葛部で証言が多い。こうした地域では官憲が過敏に反応した結果、流言が急速に広まった可能性が指摘されている。
これまでの3冊の資料集を編むために集めた証言は、4年間で500人以上に上る。同会の西崎雅夫さんが、都内ほぼすべての公立図書館に足繁く通い、日記、自伝、郷土資料コーナーなどを丹念にあたってきた。該当する資料が見つかるとコピーにとり、封書に入れて整理・保管してきた。
西崎さんは、「東京内での朝鮮人虐殺について調べつくしたとはいえないが、一段落はした。少なくともこういう事件があったと、語り継いでいく材料はできた」と話している。各500円(送料80円)。
問い合わせは西崎雅夫さん(℡・FAX03・3614・8372)。
(2012.7.4 民団新聞)