
【愛知】「民族教育50時間履修義務制」発祥の地であり、在日同胞社会を担う幾多の人材を輩出してきた学校法人愛知韓国学園名古屋韓国学校(張永植理事長、李孝心校長)が11月3日に創立50周年を迎えるのを前にこのほど、記念の講演会も開いた。中部地域唯一の民族教育機関として、在日同胞有志が代を継いで大切に守り育ててきた同校50年の歩みを振り返った。
記念講演会開く
60年代初頭までは県内で民族教育といえば、民団中村支部で細々と行われていた「韓国語講習会」が唯一という時代。韓国から赴任した教育者の金渙さんが62年11月、民団中村支部会館2階で小・中学生20人余りを対象に週3回、韓国語と韓国の歌や踊りを教えたのが、今日の名古屋韓学の始まりだった。教科書などないなか、子弟への民族教育への思いから婦人会が協力し、ピアノなどの教材をそろえた。
生徒数の増加に伴い、新校舎の必要性が叫ばれ、65年1月に現在の校舎を建てた。約1億円の建設費用は当時、愛知韓国人経友会の会長だった鄭煥麒さん(現在、愛知韓国学園名誉理事長)が、李春植初代学園長と協力して集めた。
鄭名誉理事長は、「日本という異域の地では、何事も日本人の倍の汗を流さないといけないという思いで、とにかく必死だった」と振り返った。新校舎が完成すると、愛知韓国学園の初代理事長に就任。本格的な学園運営に乗りだし、創立10年が経過するころには3000人近い修了生・卒業生を世に送り出した。それでも、当時の県内同胞数(5万7000人)の1割にも満たなかった。こうした現状を打破しようと金渙教頭(当時)は73年、「民族教育50時間履修義務制」を提唱した。この提案は75年、民団愛知本部の第20回地方委員会で決議され、民族教育‐成人教育として全国に広がっていった。
この「50時間制」を推進した鄭名誉理事長は、「民団、経済人、名古屋韓学の3者のチームワークがよかった。このチームワークこそ、長年私が心がけてきたこと。お金のある人はお金を、知恵のある人は知恵を、両方ともない人は汗を流すことで、全体的な運動につながる。要は何事においても熱意をもつことが大事」と強調した。
鄭名誉理事長は「韓国人としての自覚、そして自分のルーツに誇りをもち、社会に貢献し、尊敬される人物になることが次世代育成にもつながる。この半世紀、名古屋韓学の民族教育は、韓日交流の面でも社会的に貢献していると確信している」と述べた。
6月16日には韓国から詩人の安度?さんを迎え、同校で50周年記念講演会を開いた。150人が参加した。
(2012.7.4 民団新聞)