
小中高生2万3000人指導
【大阪】子どものころは、入塾さえ断られたほどの落ちこぼれだった。1982年に個人塾からスタートし、小学校の低学年から高校3年生まで、関西を中心に2万3000人の塾生を抱える株式会社成学社・開成教育グループの代表となった。「普通の学力の子どもを大きく伸ばす」を使命に、粘り強い指導で、教育の地域間格差の是正にも取り組んでいる。
公立校の教育は良くも悪くも画一的とされる。だが、住んでいる地域によって受けられる教育の質に歴然とした差があるのも現実だ。疑問を感じた金明弘さんは、あえて平均学力が低いといわれている大阪府内のある場所で小中学生を相手にした小さな塾「開成教育セミナー」をスタートさせた。当時28歳だった。
勉強のよくできる子どもと違って、教えるのには大変な労力と時間がかかった。ビジネスの視点からすれば非効率このうえない。生徒が増えずに困っていたところ、ある中学2年の生徒が真剣なまなざしで入塾を希望してきた。「兄さんがよく勉強ができて肩身が狭いので、自分も頑張ってみようと思います」。
この生徒が、入塾7カ月後に通知表をすべて5にするという「伝説」を生んだ。すると、「開成は面倒見が良いらしい」「開成に行けば、成績が伸びるぞ」と口コミで広がり、塾生が一気に増えた。今や中学受験から大学受験までトータルにサポートするまでに成長した。個別指導の生徒の約半数が高校生で、その数は増えつつある。
手腕を買われ、2010年には学校法人此花学院(生野区、生徒数900人)の理事長にも就任。現役の塾経営者が学校運営に携わる初の「校塾連携」で実績を上げている。今年3月には塾経営30年の体験をもとに幻冬舎から『起死回生の家庭教育』を出版した。
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プロフィール
キム・ミョンホン 1954年大阪市北区梅田生まれ。立命館大学経済学部4回生当時、知人が立ち上げた塾の経営に参加したのが始まり。以来、2002年に教壇を降りるまで27年間、延べ2万コマ以上の授業を1日も欠勤することなく担当したことを誇りとしている。信条は「一隅を照らす教育」。
(2012.8.29 民団新聞)