掲載日 : [2003-08-20] 照会数 : 6785
在日3世が準管理職に…大阪・吹田郵便局(03.8.20)
郵便外務職…国籍要件撤廃19年目で初
【大阪】高槻郵便局に勤務していた在日同胞3世で総務主任の姜太弘さん(42)が、このほど課長代理に就任した。外国籍者の課長代理誕生は郵便外務職の国籍要件撤廃以来初めてのこと。7月29日付で辞令を受け、高槻郵便局から吹田郵便局第2集配営業課に配属された。
日本郵政公社の職員は国家公務員法で「一般職の国家公務員」と定められている。なかでも課長代理は「管理職の一歩手前の役職」(日本郵政公社の話)とされ、課長不在の時は課長の事務を代行する準管理職ともいうべき立場。
姜さんは吹田郵便局で業務を効率的に遂行していくための計画を立て、集配担当の各班職員を管理している。総務主任で班長も兼ねていた高槻郵便局では班員と向き合って仕事をしていたが、課長代理になってからは背中を見せる立場。姜さんは「本来の性格は自分1人で動く方が好き」と戸惑いを隠せない様子。
姜さんは一昨年の秋、筆記による1次試験に合格。02年冬には2次試験(面接)にも通り、同年4月からは部下を指導していくための適性判定も兼ねた「高等部第1科訓練」を受けた。
この訓練は奈良県北葛城郡にある近畿郵政公社研修所で行われた。合宿制で1カ月半続く「ハード」なもの。このときは99人が受けた。姜さんは個人の課題とグループとしての課題に追われ、最初の1週間を除いてはほとんど十分な睡眠を取れなかったほど。
訓練中、姜さんは「僕は在日韓国人です。日本人はこの訓練を受ければ課長代理になれるが、僕は分かりません」と正直に胸の内を語っている。郵政公社の職員は国家公務員であるため、昇任にあたっては「公務員の当然の法理」に縛られる。「外国籍の自分が課長代理になれるかどうか」。姜さんは辞令を受け取るまでは半信半疑だったという。
姜さんは大阪府立大学在学中、民間企業を受けるも不明朗な理由で採用されなかった。自主留年を決意した84年、郵便外務職の国籍要件が撤廃されたのを知り受験した。
主任を経て5年前、総務主任の試験を受け、合格した。課長代理になるための昇任試験受験のチャンスは、総務主任を3年以上務めて初めて与えられる。姜さんと同じ「郵便局同胞の会」の金哲年さんと洪清治さんも総務主任で、姜さんと同様に課長代理試験を受けるチャンスがある。
日本郵政公社・人事部門の勝野成治人事部長は「姜さんのように意欲と能力の高い方がたくさん出てくると、その中から本社や支社勤務の方が誕生するのではないでしょうか。私は法律や『公務員の当然の法理』に抵触しない限り、国籍にかかわらずに適材適所の人事に心がけていきたい」と話している。
(2003.8.20 民団新聞)