掲載日 : [2003-08-27] 照会数 : 2760
日本国の責任認定 日弁連が謝罪勧告書(03.8.27)
関東大震災の在日同胞虐殺
「自警団の暴行動機づけ」
日本弁護士連合会(本林徹会長)は25日、関東大震災直後の混乱のさなか虐殺された在日同胞と在日中国人の被害者とその遺族に対して謝罪するよう求める勧告書を小泉首相に提出した。
勧告書は関東大震災における同胞虐殺の相当な部分は民間人による犯罪行為としながら、「戒厳令宣告の下、殺害の実行主体である自警団を結成するよう指示し、また、朝鮮人に対する殺意を含む暴行の動機づけを与えた点で、国の責任は免れない」としている。
日弁連の調査の結果、戒厳布告に伴い、戒厳司令部に対して押収、検問所の設置、出入りの禁止、立ち入り検査、地境内撤去など災害時における対処としては著しく過大な権限を与えたことも分かっている。
これは騒擾その他の犯罪行為を予防・鎮圧する治安行動的な対応を意味し、中央及び地方の危機感を増幅させた。このように増幅された危機感と認識が自警団などの民衆レベルにも達したと日弁連では結論づけている。
韓国人虐殺の動機ないしは原因となったのは内務省警保局が「朝鮮人が放火・爆弾所持・投擲・井戸への毒物投入等をおこなっているという誤った事実認識」のもと「鮮人の行動には厳密なる取締を加え」るよう無線電信で全国に流したこと。勧告書はこうした流言飛語を生じせしめた背景についても言及、「当時の政府機関に朝鮮人を危険視する考え方があった」と指摘している。
最後に、国が責任を明らかにせず、謝罪もしていないことについて「長期にわたるその不作為の責任は重大である」と述べ、再発防止のうえからも事実の全容を明らかにするよう求めている。
今回の勧告は虐殺を目撃した在日同胞の文戊仙さん(95)=横浜市在住=からの人権救済の申し立てがきっかけだった。
日弁連人権擁護委員会が4年間、事情聴取と東京都公文書館などでの資料調査にあたってきた。
(2003.8.27 民団新聞)