掲載日 : [2003-09-18] 照会数 : 2438
まだまだ現役ハラボジ・ハルモニ 千珍錫さん(03.9.17)
富山・古鉄回収業を営む 千珍錫さん(79)
30キロの荷物もヒョイ…好きな煙草止め健康管理
「最低30㌔は持てないと仕事ができない。力と要領だよ」。富山市森住町に住む千珍錫さんは、40代から始めた古鉄回収と毎年9月の1カ月間だけ製菓工場の材料となる屑米を集めるため、自ら1㌧トラックを走らせる。小柄で細身の身体からは想像もつかないが、見るからに重そうな古鉄を軽々と持ち上げてトラックへ積んでいく。
韓国・慶尚南道出身。早くに亡くなった父親に代わり、旋盤工や土方などの仕事に就きながら家族の面倒を見てきた。
古鉄回収業を始めた当初、自転車付リヤカーで富山県下を鉄を求めて走り回った。朝から晩まで動いても無収入の時もあれば、短い時間で数万円になるときもあった。
弟や妹たちが腹を空かして帰りを待っていた。そして母のためにもがむしゃらに働いた。「苦労は口で言い尽くせない。体だけ張ってやってきた」。26歳の時に結婚、2男1女に恵まれた。 今、月に10日ほどのペースで4カ所の鉄工所を回る。屑米は1カ月間で40、50㌧を集めるという。じっとしていられない性分だと笑う。外回りのない日は、自宅で回収した鉄の解体作業に汗を流す。
無年金者という不安定な立場から、仕事を続けてきた。すでに家庭を持っている子どもたちからは仕事をやめてほしいと言われているが、「面倒をかけたくない」という思いがある。楽しみは7人の孫に会うことと、体調管理のために毎日通う健康ランドで露天風呂に入ることだ。昨年、体のことを考えて好きな煙草も止めた。
40代から大病をしたことがない。「母が滋養になるものを食べさせてくれたおかげ」。そして影で支え続けてくれた妻へ対する感謝の念を忘れない。「体が続くまで現状維持でやっていく」。力強い言葉が返ってきた。
(2003.9.17 民団新聞)