掲載日 : [2003-10-01] 照会数 : 2638
学力低下現象を克服し国際競争力維持のために(03.10.1)
前駐日教育官、道峰中前校長 李林柱
学習塾依存の奇形相…漢字教育は日本式を
初・中学校の卒業生の中に、読み書き計算がろくにできない学生が増える一方だと言われているが、昨日今日の話ではない。基礎教育が揺るぎ始めて久しいことを意味している。
自発的で開放的な学習風潮が流行のように広がり始めて以来、基礎教育は揺るぎ始め、やがて大学を卒業しても新聞一枚まともに読めない国民を量産してしまった。
最近では母国語さえまともにできない子供に、英語が話せ、聞き取れなければいけない、などというから、何とも馬鹿馬鹿しいことだ。自分の国の言葉と文字も十分に理解できない子供たちに、何という教育の横暴だろうか。
おおよそ教育にも順序と段階があって然りだ。何よりもまず母国語に対する理解がなければならない。
現行の学校平準化は、誰もが同じであるという平等主義を標榜しているかのように見えるが、一方でその平等主義はむしろまた別の不平等主義を生みながら、わが国の教育体制は数多の学生たちを学校から塾へとせっせと駆り立てている形になっている。
学校の教室は荒廃し、基礎学力までも揺らぎ、恵まれた者はより恵まれ、劣った者はより劣る学力不平等時代を迎えている。一部は早期留学、一部は教育移民という前代未聞の奇形相をこの国に招き入れてしまった。
近頃の子供たちは学校は形式的に通い、学習塾に通わなければ勉強ができない、一人では不安で勉強ができないという誤った学習感を持っている。幼い時から全てを学習塾に依存してきたために、大学生になっても一人では勉強できなくなってしまった。
一方、教師の70%以上は学生たちが学習塾の講師を学校の先生よりも重視しているという調査報告を受けている。また学校では学習塾の講師を招致して特別講義をするなど、学校は教育崩壊の現象の極みを見せている。
その上、学校と父母や教職団体、地域社会、当局の間には、子供たちの教育のために知恵を集めることより、著しい対立と葛藤の中で自分の声ばかり張り上げている。世界中が今、教育に勝負をかけようとしているのに、私たちは一体どうしてこうなのだろうか。
中学校時代から漢文を学んでいるのに、漢字で自分の名前がきちんと書けない子供たちを私たちの教育は生み出してしまった。漢文という独立教科を中学校の時から教えるつもりなら、日本のように小学校1年生の時から学年別に割り当て漢字を与えて、優しい単語から段階的に教える方法はどうだろうか。韓国語の土台は語源を漢字に置いているし、漢字学習は子供たちの基礎学力と密接な関係を持っており、思考能力を高めてくれもするからである。
(2003.10.1 民団新聞)