掲載日 : [2015-08-26] 照会数 : 5930
第61回「江戸川乱歩賞」に呉勝浩さん…推理作家への登竜門
受賞を機に本名へ
9月に東京で贈呈式
第61回「江戸川乱歩賞」にこのほど、呉勝浩(ゴ・カツヒロ)さんの『道徳の時間』が選ばれた。正賞は江戸川乱歩像、副賞として1000万円が贈られる。贈呈式は9月10日、東京・日比谷の帝国ホテルで。
同賞は日本推理作家協会が54年、江戸川乱歩からの寄付を基金として制定した。推理作家への登竜門として知られる。歴代受賞者に西村京太郎さん(第11回『天使の傷痕』)、東野圭吾さん(第31回『放課後』)など。
応募総数316編。2次予選と予選委員会を経て最終的に5編が選ばれ、5月18日の本選考会に進んだ。ここでは5人の選考委員の意見が真っ二つに分かれたという。
選評で有栖川有栖さんは、「『思わず身を乗り出すような謎』が描かれていた、真相に迫っていく面白さも充分備わっていた。新しい才能の登場を感じた」と評価。一方、池井戸潤さんは、「文章がよくない。大げさな描写は鼻につくし、誰が話しているのかわからない会話にもいらいらさせられる」と反対に回った理由を語った。
呉さんの応募時の筆名は檎克比朗だった。「この筆名にしたとたん、某賞で初めて評価をいただき、乱歩賞最終候補、受賞といわば私的ラッキーネームだった」からだ。受賞が決まってから「字が難しすぎて読めない、書けない」との声を受け、「この筆名を葬るならば、本名でいくしかない」と決意を新たにしたという。
作品は4日、講談社から刊行された。今後、フジテレビで映像化されることも決まっている。81年青森県生まれの在日韓国人。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪市在住。
(2015.8.26 民団新聞)