掲載日 : [2017-12-08] 照会数 : 6905
立教大にも詩碑を…生誕100周年・尹東柱顕彰
[ 大村益雄さん(右から3人目)らの座談会出席者 ]
異文化コミュニケ学部生が募金活動
名誉卒業証書の声も
韓国の著名な詩人尹東柱ゆかりの立教大学(本部=東京都豊島区西池袋)に詩碑を建立しようと、同異文化コミュニケーション学部のゼミ生たちが自発的にファンドレイジング(資金調達)活動を始めた。近く、OBにも参加を求め、正式な募金組織を立ち上げる。建立は現在のゼミ生が卒業する数年内が目標。尹東柱は1942年4月、立教大学に入学。在学中に立教のシンボルマークの入った便箋に5篇の詩を書き残した。
ゼミ生を動かしたのは異文化コミュニケーション学部の李香鎭教授。昨年、ゼミで尹東柱の人物像について授業で講義したところ、生誕100周年の今年になって学生たちの間から「なぜ、立教大のキャンパスに碑がないのか」という疑問が上がった。
尹東柱の詩碑は京都の同志社大学、京都造形芸術大学、宇治市内に合わせて3つあるが、立教にはない。詩などは特設スペースに保存されているが、常設展示されているわけではないため、尹東柱の生きた証しを求めてキャンパスを訪れる人たちをがっかりさせてきた。
詩碑に刻むのは尹東柱が書き残した5篇が候補に挙がっている。李教授はなかでも「たやすく書かれた詩」を「尹の生活が見える詩」と高く評価しているが、「最終的には学生が決めること」と話している。
口座は2つある。海外向けは目標5000㌦。日本国内では特に目標を立てていない。建立後は大学に寄付する。
立教大学は2011年から「尹東柱国際交流奨学金」制度を設けており、各学部から選ばれた韓国人留学生一人に年間72万円を支給している(2年前からは韓国人に限っていない)。
また、「詩人尹東柱を記念する立教の会」など卒業生らが中心となって今年2月、大学内チャペルで開催した「詩人 尹東柱とともに・2017」では、「尹東柱に名誉卒業証書を贈ろう」との提案が出たばかり。これには関係者300人が賛同した。実現の暁には同志社大学にも共同歩調を呼びかけていく。
ファンドレイジングの問い合わせは立教トランスナショナル・シネマ・シンポジウム2017(tcs.rikkyo@gmail.com)。
座談会や映画、詩劇…ソウル芸術団公演も
立教大でメモリアルイベント
詩人尹東柱の生誕100周年を記念するメモリアルイベントが11月23日、立教大学池袋キャンパスであった。同異文化コミュニケーション学部の学生たちが中心となって企画。延世大学尹東柱記念事業会とソウル芸術団などの協力を得た。大学から吉岡知哉総長も参席した。
座談会や映画、詩劇、ソウル芸術団の創作歌舞劇などを通じて尹東柱の人物像を立体的に浮かび上がらせる多彩な構成。昼夜3部を通じた延べ観覧者数は約1000人近くに上った。
基調講演に立った早稲田大学名誉教授の大村益夫さん(中国・朝鮮文学者)は、尹東柱が生前に書き残した150篇の原稿をもとに詩を読み解いていった。
NHKのデイレクターだった95年、KBSと共同で番組「空と風と星と詩〜尹東柱・日本統治下の青春と死」を制作した多胡吉郎さんは「尹東柱だからこそ、日本と韓国の心をつないだ。共に愛する気持ちで共感することができたのだ」と振り返った。