掲載日 : [2018-01-01] 照会数 : 8390
小学校で韓国語授業…山武市立鳴浜小
[ 楽しく体を動かしてハングルに親しむ児童たち。講師は韓国から嫁いだ土屋春美さん(16年6月)
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半月小と交流27年…PTA組織が牽引役に
【千葉】山武市立鳴浜小学校(川口邦男校長)と韓国の半月初等学校(李在平校長、京畿道安山市)との学校間交流が始まってから今年で28年目を迎える。こうした地道な韓日交流は高校間ではともかく、小学校レベルでは極めて珍しい。民間の草の根交流を推進し、顕彰している高円宮記念日韓交流基金(柳井俊二理事長)は昨年12月、両校に第9回高円宮賞を授賞した。
鳴浜小学校を取材で訪れたのは昼どきのこと。校門の前に立つと交互に韓国と日本の童謡が校内放送を通じて聞こえてきた。朝の始業時は「おはようございます」と「アンニョンハセヨ」のあいさつを流している。
鳴浜小と韓国との出会いは同校が89年7月、日韓農村友情文化交流の会場となり、体育館が仮面劇の公演会場に提供されたことに始まる。受け入れは当時のPTA役員が中心となり、ホームステイ、公演会場の設営、交流会と各役員が奔走し、公演を成功させた。最後は会場全体を巻き込んだ踊りの輪ができた。
間もなく鳴浜小学校で「ゆとりの時間」に5年生と6年生の児童を対象としたハングル学習が始まった。現在は4年も加わり平均して月2回、「総合学習」の時間を利用してハングルに親しんでいる。講師は韓国から嫁ぎ、文化交流の時に通訳も務めた土屋春美さん(東金日韓交流協会会長)。
鳴浜地区での韓国への興味と理解は急速に深まり、91年3月には半月国民学校(当時)との間で姉妹校結縁文書を交換した。ここでもPTA組織が大きな役割を果たした。消極的な姿勢だった鄭雲弼校長(当時)の胸を揺るがしたのは、「子どもたちの交流がよりよいものに成長するよう、PTAがその土壌づくりをしましょう」という呼びかけだった。
姉妹校結縁文書を受けて鳴浜小PTAは規約を改正。姉妹校交流委員会準備室の活動を恒久的な活動にするため、姉妹校交流委員会を置いた。これが長きにわたる交流の後ろ盾となっている。
両校は児童作品の交流に加え、児童と保護者10〜20人が91年から1年ごとに互いの学校を訪問している。川口校長は「子どもたちに国境はない」と話す。
(2018.01.01 民団新聞)