掲載日 : [2004-03-17] 照会数 : 3029
〞隣人〟理解訴え20年 社会啓発事業体KMJセンター(04.3.17)
[ 鄭早苗理事長 ]
セミナーや冊子・ビデオ製作
【大阪】社団法人大阪国際理解教育研究センター(愛称KMJ、鄭早苗理事長)が前身の「在日韓国・朝鮮人問題学習センター」の時代から数え、今年で発足満20周年を迎える。在日同胞の人権を主なテーマとした研究・啓発事業体として各種の冊子やビデオを製作、セミナーも開催するなどして日本社会に「隣人」への理解を深めてきた。
KMJの前身、「在日韓国・朝鮮人問題学習センター」は在日同胞研究者らの集まり。84年、郵便外務職の「国籍条項」撤廃運動の中から生まれた。
「民族差別と闘う大阪連絡協議会」から依頼を受けて同センターが在日韓国・朝鮮人の生活と差別の現実をまとめた『よりよき隣人として』(週刊誌大60㌻)は当時、社会啓発冊子の先駆的な存在だった。初めて在日外国人を受け入れた近畿郵政局から全職員用の研修テキストとしても採用された。
写真を中心とした平易な解説は評判を呼び、その後、自治体、学校、市民講座などからも注文が相次いだ。普及部数は短期間に8万部を超えた。
87年からは啓発規模を拡大、行政と教育、企業団体関係者、一般市民を対象に毎年1回、「夏期セミナー」を開催している。毎回の平均参加者数は約300人余り。このセミナーはKMJ研究センターに改称してからも同センターの看板事業として今日まで受け継がれている。
一方、在日同胞をはじめとする外国籍学生を対象にした「就職教育セミナー」も95年から開催、自らのルーツを隠すことなく就職活動に臨めるよう支援してきた。賛同企業はピーク時で70社余りに上った。03年までの参加学生は約700人ほどと集計されている。
周真介さんは就職活動をするにあたって名前で悩んでいたが、セミナーに参加してから葛藤が解消されたという。
徐寿代さんも著名企業で活躍する先輩の存在を目のあたりにして、「制限された中でしか就職できないと思っていたので、自分の頑張り次第なんだと知ってからは精一杯自分の力を出して就職活動に取り組めた」と振り返っている。この間の地道な啓発活動が認められ98年、大阪府教育委員会から公益法人として認定を受けた。同教育委の担当者は「地域における国際理解に関する調査・研究および教育・啓発活動に尽力されておられる」とコメントしている。
KMJは4月10日午後6時から在日韓国基督教会で同センター発行の啓発冊子『Sai』の創刊50号と合わせ、創立20周年を祝う集いを開く。
(2004.3.17 民団新聞)