掲載日 : [2004-10-06] 照会数 : 2895
法と生活〈13〉 在外同胞向け最新法・制度(04.10.6)
(文責・民団中央民生局)
不動産実名制
95年以前取得の土地…在外同胞法で特例に
1 不動産実名制実施の背景
各種の脱法・違法および反社会的行為の道具として悪用されてきた不動産の名義信託を禁止して不動産取引の正常化と不動産価格の安定を図るために1995年7月1日から不動産実名制を実施するようになった。
2 実権利者名義の登記義務
不動産に関する物権を名義信託約定により名義受託者の名義(「他人名義」)で登記してはならず、譲渡担保の場合には債権者・債権金額および債務返済のための譲渡担保だという意味が記載された書面を登記申込書と共に登記官に提出しなければならない。
3 名義信託約定の効力
名義信託約定は無効であり、名義信託約定に基づき行われた登記による不動産の物権変動も無効になる。但し、不動産に関する物権を取得するための契約で名義受託者が一方の当事者になり、他方の当事者は名義信託約定があるという事実を知らない場合にはその限りではない。
また、名義信託約定の無効と登記の無効は第3者には対抗できない。
4 違反時の制裁
▼課徴金賦課対象および金額
実名登記義務に違反した名義信託者、譲渡担保事実記載義務に違反した債権者および登記官への提出書面に債務者を虚偽記載し提出した実債務者に対しては違反した期間および当該不動産の価額に応じ、当該不動産価額の最低10%から最高30%に該当する課徴金が課せられる。但し、租税を脱税したり法令による制限を回避する目的でない場合には、算定された課徴金の50%を減軽することができる。
▼不動産価額の算定基準
課徴金の基準になる不動産価額は課徴金賦課日現在価格により土地は個別公示地価、建物および国税庁長が指定する共同住宅は毎年国税庁長が算定・告示する価額によって算定される。
▼履行強制金
課徴金賦課後にも実名登記をしないと課徴金賦課日から1年が経過した時に不動産評価額の10%が、さらに1年が経過した時に不動産評価額の20%が履行強制金として課せられる。
▼罰則
実名登記義務に違反した名義信託者、譲渡担保事実記載義務に違反した債権者および登記官への提出書面に債務者を虚偽記載し提出した実債務者およびそのようにさせた者は5年以下の懲役または2億ウォン以下の罰金に処せられる。名義受託者およびそのようにさせた人は3年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処せられる。
5 宗中(一族)および配偶者に対する特例
宗中および配偶者間の名義信託に対しては、租税脱税、強制執行の免除または法令上の制限の回避を目的としない場合は、特例を認め名義信託約定の効力、課徴金、履行強制金、罰則および既存名義信託の実名登記の義務違反時効力規定の適用が排除される。
6 長期未登記に対する制裁
不動産の所有権移転を内容とする契約を締結した者で3年以内に所有権移転登記を申請しない登記権利者に対しては違反した期間および当該不動産の価額に基づき当該不動産価額の最低10%から最高30%に該当する課徴金が課せられる。但し、脱税もしくは法令による制限を回避する目的でない場合には、算定された課徴金の50%を減軽することができる。
長期未登記の起算日は、契約当事者が互いに代価的な債務を負担する売買または交換の場合には反対給付の履行が事実上完了した日、即ち、残金精算日であり、契約当事者の一方だけが債務を負担する贈与の場合にはその契約の効力が発生した日になる。
但し、「不動産実権利者名義登記に関する法律」施行以前に取得した場合には法施行日から起算する。
課徴金を課せられても所有権移転登記を申請しない時は、履行強制金が課せられ、長期未登記者とそれをさせた人は5年以下の懲役または2億ウォン以下の罰金に処せられる。
7 既存名義信託の実名登記義務
▼既存名義信託の実名登記義務
1995年6月30日以前になされた既存名義信託者は1年の猶予期間以内に実名登記をしなければならない。
次のような場合には実名登記をしたものと見なされる。
①既存名義信託者が不動産に関する物権に関して売買その他処分行為をして猶予期間以内に取得者に直接登記を移転した場合②既存名義信託者が猶予期間以内に他の法律の規定により市長・郡守・区庁長に売却を委託したり韓国資産管理公社に売却を依頼した場合
▼実名登記義務違反の効力
実名登記または売却処分などをしない場合は名義信託約定は無効となり課徴金も課されるが、別途の刑事処罰はない。
▼猶予期間の延長
実権利者の帰責事由がなくて他の法律の規定により実名登記または売却処分などができない場合には、その事由が消滅した時から1年以内に実名登記または売却処分しなければならない。
法施行前または猶予期間中に不動産物権に関する訴訟が裁判所に提訴された場合には確定判決があった日から1年以内に実名登記または売却処分しなければならない。
8 既存譲渡担保権者の書面提出義務
既存譲渡担保の場合、「法施行日から1年以内に債務者・債券金額および債務返済のための担保」という意味が記載された書面を登記官に提出しなければならない。
9 在外同胞法による特例
在外同胞法の適用を受ける外国国籍同胞は、一定の場合、課徴金と履行強制金を免除される。これは、過去に外国国籍同胞の場合、土地の取得や継続保有が事実上不可能だったので他人名義で不動産を保有する場合が多く、現実的に不動産所有名義の実名転換に困難が多かった点を配慮したものである。
但し、「不動産実権利者名義登記に関する法律」施行日(1995年7月1日)以前の名義信託土地に限り在外同胞法施行日((1999年12月3日)以後1年以内に実名に転換するか売却処分する場合、課徴金および履行強制金を免除する。
上記条項の適用を受けるためには国内居所申告をしなければならない。
(2004.10.6 民団新聞)