掲載日 : [2004-10-27] 照会数 : 2897
生野区で同胞老人宅慰問 NPO法人観音ボランティア会(04.10.27)
[ 観音ボランティア会主催の敬老会で手拍子をとるお年寄り ]
声かけ、話相手に
「独り暮しの淋しさいやしたい」
【大阪】韓国人の仏教徒がNPO法人「観音ボランティア会」(釈円然理事長、劉貞順会長)を設立し、生野区で社会福祉活動に取り組み始めた。現在は週1回ほど、ボランティアとともに独り暮らしの同胞家庭を慰問している。ささやかな活動だが、お年寄りたちには心の支えになっている。
「観音ボランティア会」の母体となったのは「韓民族仏教奉仕会」(釈円然会長、観音寺代表管長)。同奉仕会は金仁培さん(日韓親善奉仕会会長)ら仏教信徒が中心となって阪神淡路大震災をきっかけとして設立した。大震災が一段落して一人取り残された同胞や日本人のお年寄りを訪ねる家庭訪問を行ってきた。
こうした地道な活動を6年間続けてきた。これらの実績が認められ、NPO法人設立にあたっては昨年11月、府に申請してから4カ月という短期間で認可がおりた。設立の趣旨は生野地域に居住する同胞高齢者や身体障害者に対する介護や韓日文化交流の促進としている。現在は毎週金曜日、会員数人が地域の同胞家庭を回りながら話し相手になったり、食事を届けている。
会員の一人で通称、御幸森コリアタウンで自営業を営む朴英姫さん(48)は「ハルモニたちを見ていると、ふるさとの親とも重なる。声をかけるとほっとした表情になるのがうれしい」と話す。
同じく観音寺の僧侶、釈水月さん(52)は独り暮らしのハルモニが風邪を引いたりして病気になると黒ごまや松の実の入った韓国粥を持っていく。「人間弱ってくれば寂しくなります。誰かが訪ねて元気づけてあげる必要があるのです」。釈さんはホームヘルパー3級の資格をとっており、ときには対話ばかりか掃除や洗濯を手伝うこともあるという。
訪問家庭は1カ月ベースでまだ7,8件といったところ。ただし、口コミで訪問要請が増えており、さらに広がりそうだ。今後は同胞経営の病院を訪ねることも計画している。
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敬老会に200人
「海女のリャンさん」も
観音ボランティア会は17日、生野区の同寺で敬老慰安会を開き、近隣に住む70歳以上のお年寄りを招待した。
過去5回は同寺の韓民族仏教奉仕会が主催してきたが、NPO法人認可にともない、今年から観音ボランティア会が主催するようになった。生野区と東大阪から日本人も含め200人余りが参加した。大阪市内で芸能活動に従事する本国の歌手ら14人が付きっきりで世話にあたった。
食事は韓国の海苔巻きや餅、果物やヨーグルトなどの軽食だが、在日一世たちは昔懐かしい「トラジ」「ノドルカンビョン」といったウリノレに大満足の様子。一方、日本人の高齢者にも心に響くものがあるようで、感動して涙を流す光景も見られた。歌に乗せて踊り出す元気な一世もいた。
施設から付き添ってきた日本人の職員も「ここに来て久しぶりに親戚にあったと喜んでいます」と代弁した。参加者のなかには映画「海女のリャンさん」に出演した梁義憲ハルモニの姿も見られた。
(2004.10.27 民団新聞)