掲載日 : [2004-11-04] 照会数 : 2132
<無年金障害者>外国人の処遇焦点に 法案審議入りへ(04.11.3)
学生と主婦に限定した与党の無年金障害者救済法案と、在日外国人を含むすべての無年金障害者の救済を目ざす民主党案が今月中旬以降、臨時国会で審議入りする見通しとなった。
与党側は今国会での法案成立を目指しており、民主党との間で近く、法案のすり合わせを行いたい意向だ。これに対して民主党側は①金額は基礎年金相当額を満額支給する②対象に外国人と在留邦人も入れる③学生・主婦以外の未加入・未納の人も別途解決を図る‐の3点を主張する構え。
しかし、与党案ではあえて公明党の反対を押し切ってまで対象から外国人を外した経緯があるだけに、民主党の主張を入れて新たに外国人を対象に加えるのは厳しい情勢とみられる。民主党としては、最悪でも法律の付則、または国会での付帯決議という形で党としての主張を盛り込みたい考えだ。
民主党・「無年金問題ワーキングチーム」は今国会での審議に先立って10日、障害者国賠訴訟の原告、および在日外国人障害者の当事者または支援者からのヒアリングを行う方針。
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高齢者問題でヒアリング…民主党プロジェクト
民主党「外国人の人権と国籍問題に関するプロジェクトチーム」は10月28日、「旧植民地出身高齢者の年金補償裁判を支える全国連絡会」から田中宏共同代表(龍谷大学教授)を招き、在日外国人の年金高齢者問題についてのヒアリングを党本部で行った。
ヒアリングにはツルネン・マルティ参院議員(同プロジエクトチーム座長)をはじめとして関係議員13人が出席した。
席上、田中代表は「日本の社会保障は日本在住の日本国籍者を対象とするという自国民中心主義的な考えを根絶しなければ、在日外国人の無年金問題の抜本的な解決は難しい」と指摘した。
さらに、学生無年金障害者国家賠償訴訟でこの日、東京地裁に続き新潟地裁でも「学生無年金者の放置は国の怠慢」とした勝訴判決を取り上げ、「任意加入でありながら加入していなかった人が障害を負い無年金になったのが国の責任ならば、国籍条項によって加入すらできなかった人たちが無年金になあるのは当然違法である」と述べた。
(2004.11.3 民団新聞)