掲載日 : [2004-12-22] 照会数 : 4244
最高裁大法廷が弁論 鄭香均さんの「都庁国籍任用差別訴訟」(04.12.22)
[ 在日韓国YMCAで報告に立つ鄭さん(15日) ]
「後輩のため最後まで闘う」
提訴から10年で結審
外国籍を理由に東京都の管理職試験の受験を拒否された都の保健師、鄭香均さん(54)が都に200万円の損害賠償などを求めた「都庁国籍任用差別訴訟」で最高裁大法廷は15日、双方の主張を聴く弁論を開いた。提訴からすでに10年が過ぎ、ようやくこの日の結審となった。
傍聴券求め300人列
入り口の最高裁判所南門には166枚の傍聴券を求めて2倍近い約300人が行列を作った。東京を中心に関東各地の民団と婦人会、市民団体関係者らが駆けつけた。
陳述で鄭さんは「『当然の法理』を国民主権を援用して日本社会の外国人施策に据え、排他的な一元社会へ走るのか、それとも人権の普遍性を認めるのか。裁判官15人一人ひとりの理念性・道義性をかけ、人が人であるが故に持つ人権に焦点をあてた判断を望む」と静かにしかし毅然として訴えた。傍聴席からは期せずして拍手が起こった。
最高裁では異例 鄭さん本人陳述
最高裁で本人が意見陳述に立つのは異例とされる。最高裁が小法廷での弁論期日を決めながら大法廷に回付したことと合わせて考えても、慎重に審理を進めようとの姿勢がうかがわれた。
予断許さない判決のゆくえ
小法廷で弁論を開くときは、原審を破棄する判決を言い渡すときが多いとされる。小法廷から大法廷に回付されたことで弁護団は、「振り出しに戻った。少なくとも多少様相が違っている」と受け止めている。
島根大学教授で行政法に詳しい岡崎勝彦さんはいくつかのケースを想定している。最悪のケースは高裁判決での勝訴判決の破棄、さし戻し。または、都が上告理由で訴えていた賠償40万円の取り消しだけを認めるケースも考えられるという。
だが、岡崎教授は、自治省の方針を修正し、公務員国籍要件の原則撤廃を打ち出した川崎市の取り組みを追認した96年11月の白川自治相談話を引用しながら、「勝たせてくれる可能性が高い」と信じている。
初心忘れない 改めて決意も
鄭さん自身は判決の行方を「あまり楽観していない」。しかし、最悪のケースでも「負けたらまたやる。勝つまでは」と意気盛んだ。10年前、自分のためでなく、後に続く後輩たちのためにと提訴に踏み切った時の初心は決して忘れていない。
(2004.12.22 民団新聞)