掲載日 : [2008-10-22] 照会数 : 9251
地方色ふんだんに 10月マダン真っ盛り
[ 家族連れで食事とステージを楽しむ(千葉) ] [ 日本人カップルが挙式(島根) ]
各地民団の10月のマダンが地域社会で確かな広がりを見せている。創団の趣旨にのっとって団員個々の親睦を深めるのはもちろんのこと、最近は地域社会に韓国の文化を発信するなど、住民とふれあううえで大きな役割を担っている。各地の表情をまとめた。
民団会館拠点に
秋田県本部(崔燕佑団長)は18日、秋田韓国会館で韓国観光パネル展、韓国映画の上映、チマ・チョゴリ試着による撮影会、韓国料理の試食、韓国総菜類の販売など、多様な企画で団員と地域住民との交流を図った。
この日は天候にも恵まれ市民200人が訪れた。全員に抽選で韓国民芸品などの記念品が贈られた。
岩手県本部(金盛義団長)も18日、盛岡市内の韓国会館を開放して団員と地域住民とのふれ合いを楽しんだ。
「韓国屋台」コーナーで婦人会岩手県本部手づくりのチヂミやキムバ、トッポキ、チャプチェを販売。予定していた100食分を早々に完売した。
「韓国喫茶」コーナーではなつめ茶や五味子茶、ゆず茶、シッケが好評を博した。お餅や韓菓子とともに味わいながら大型スクリーンで上映された韓国ドラマ「ファンジニ」を鑑賞した。
日韓協と初共催
宮城県本部(李根団長)は11日、宮城県日韓親善協会との初共催で野遊会を開催した。会場の名取スポーツパークは家族連れの参加者170人でにぎわった。
婦人会宮城県本部(李京子会長)は、牛肉と豚肉の2種類の芋煮を用意し、青年会宮城県本部(金柾史会長)もバーベキューを振る舞った。
山形県本部(李栄得団長)でも18日、団員ら70余人が山形市内の馬見ヶ崎河原で恒例となった「芋煮会」を楽しんだ。
秋晴れの下、芋煮とタッケジャンに舌鼓を打ちながら、ほろ酔い気分で幅広い世代が和気あいあいと交流した。駐仙台総領事館からも李鍾七総領事はじめ職員ら多数が駆けつけ、秋の風物詩の芋煮を堪能していた。
李団長も多くの団員の笑顔を見て「準備に苦労したかいがあった」と喜んでいた。
西東京本部(崔七星団長)は19日、立川市の国営昭和記念公園でバーベキューパーティーを開催。団員70人余りが親睦を深めた。マダンを機会に初めて民団行事に参加したという親子連れの姿も見られた。
民俗芸能の共演
千葉県本部(金豊成団長)としても今年は例年を上回る盛りだくさんの韓日民俗芸能の数々で迎えた。
メーンゲストは10年前から日本を主な活躍の舞台としている歌手のチェウニ。韓国の国民的な歌手で、母親でもある李美子の往年のヒット曲メドレーに会場がわいた。このほか津軽三味線、和太鼓など日本の伝統芸能も次々と披露された。会場に用意された約800席は、さまざまな韓国食材をつまみにマッコリなどを楽しむ家族連れで埋まった。
国会をはじめ県・市議会からも議員多数がお祝いに駆けつけた。民団中央本部からは鄭進団長や金廣昇議長らが激励に訪れた。
神奈川県本部(殷鍾七団長)は18・19の両日、横浜市内の県立三ツ池公園「コリア庭園」とその周辺で開催。2日間で延べ1万人で終日にぎわった。今年は神奈川県議会日韓親善議員連盟、日韓友好横浜市会議員連盟、神奈川県日韓親善協会連合会との共催。
公園内に設置された大型の特設舞台では韓国舞踊やサムルノリ、横浜中華学校校友会国術団による中国獅子や地元の鶴見区に活動拠点を置く沖縄エイサーやブラジルのカポエイラなどによる多文化共生ステージが行われた。
三重県本部(殷鍾秀団長)は19日、四日市ドームで「親子大運動会」を開催した。県内6支部からおよそ500人が参加した。
子どもたちはゴールに用意された韓国の小旗めがけて先を競って走った。その愛らしい姿に、会場の参加者も思わず笑みをこぼしていた。また、玉入れ合戦では、幼児からお年寄りまで一緒に楽しんでいた。
滋賀県本部(具滋源団長)は創団60周年にあたる5日、県立北大津高校グラウンドで記念の「大運動会」を開催。参加者500人が借り物競争やパン食い競争など、幼稚園児から大人まで幅広い年代層を考慮した多彩なプログラムを楽しんだ。なかでも樽転がしなど、支部対抗団体種目では、応援合戦に熱が入っていた。優勝は湖西支部(金学生支団長)。
伝統結婚式も
島根県本部(李燮潤団長)は今年の「多文化共生」事業の総集編として位置づけ、12日、いきいきプラザ島根体育館で開催した。団員と一般市民約500人が交流する「マダン」となった。
ハイライトは民団の韓国語講座で知り合った日本人カップルによる伝統結婚式の披露。民団では二人の結婚を厳粛に進行するため、韓国から専門家を呼んだ。会場ではお祝いの日にちなんだザンチクッス(そうめん)のほかチヂミ、キムパプ、チャプチェ、ジョンなどの屋台が軒を並べた。
民団島根の「多文化共生」事業は今年で足かけ5年。いまは行政からも高い評価を得ている。
鳥取県本部(薛幸夫団長)は地域間交流の大切さを再確認する場として、琴浦町日韓友好交流公園「風の丘」を「マダン」会場に選んだ。県知事、琴浦町長、地元選出国会議員ら400人が出席、韓国舞踊を楽しみながらバーベキューパーティーを楽しんだ。これは創団60周年記念事業の一環でもある。
同公園では「あすの日本を考える会」の抗議を受けて昨年、友好の碑文から「東海」の二文字が削除された。さらに、独島(竹島)の教科書記述を契機にした自治体間交流も中断が続いている。 薛団長は「国家間の問題を自治体間の国際交流の場に持ち込むのは馴染まない。われわれから心の国境線をなくそう」と呼びかけた。
韓国から農楽隊
沖縄県本部(梅昌玉団長)は「10月のマダン」の一環として第38回那覇まつり「市民演芸・民俗伝統芸能パレード」に参加した。今年は大韓民国の建国60周年を記念し、忠清南道唐津郡機池市から「機池市大綱引き保存会農楽隊」(国定重要無形文化財第75号)15人を招請してパレードに花を添えた。
農楽隊は韓国独特の笛、ドラ、鐘、鼓、太鼓を用いた力強い演舞で市民約8万4千人(主催者発表)にアピールした。国際通り6カ所での演舞には、観客からとりわけ大きな拍手や声援が送られた。
(2008.10.22 民団新聞)