掲載日 : [2008-10-22] 照会数 : 10325
南大門復元募金 5億8700万ウォン伝達
[ 柳仁村文化部長官(中央右)立ち会いのもとに南大門復元誠金を文化遺産国民信託の申硯均副理事長(女性)に伝達する民団中央3機関長ら
] [ 南大門の復元完成図 ]
【ソウル】民団中央本部の鄭進団長は20日、文化体育観光部を訪問し、去る2月に焼失した韓国の国宝第1号・南大門(崇礼門)の早期復元を願い全国各地同胞をはじめ、民団中央傘下団体や日本人市民などから寄せられた誠金5億8710万ウォンを、柳仁村長官立ち会いのもとに文化遺産国民信託の申硯均副理事長に伝達した。
「誇り再生」も願い
民団 文化遺産国民信託に
鄭団長は「南大門の焼失に、祖国を思う在日同胞たちは非常に胸を痛めた。多くの同胞から誠金を拠出したいが、どうすればいいかとの問い合わせが相次ぎ、民団の募金運動に積極的に応じてくれた」と募金経緯を説明するとともに、南大門焼失で失った「誇りの再生」を願い、「早期復元の一助にしてほしい」と述べた。
これに対して、柳長官は、在日同胞だけでなく多数の日本人と日本の団体が募金に協力したことに感謝の意を表明し、「金額が問題ではなくその神聖な気持ちが重要だ」と述べ、「大変ありがたく、復元へ大切に使用したい」と強調した。伝達には中央本部の金廣昇議長、金昌植監察委員長と許孟道副団長が同席した。
民団の募金運動は、南大門焼失当時、折しも訪韓中だった民団中央3機関長や常任顧問、中央傘下団体長ら一行が、韓国での募金の動きに呼応する旨を表明し、その直後に開かれた定期中央委員会で積極参与が確認され、開始された。
民団中央民生局の集計によると、民団中央に約3000万円と約6000万ウォン、大阪地区820万円、東京地区310万円、広島地区290万円、愛知地区240万円、埼玉地区200万円、北海道地区150万円、福島地区120万円、京都地区100万円をはじめ、全国から誠金が寄せられた。
また、傘下団体の婦人会中央本部が300万円、韓商連(在日韓国商工会議所)も100万円をそれぞれ集め、在日韓国人信用組合協会からは100万円が寄せられた。
各地の日本人や韓国・在日同胞と交流のある自治体、民間団体からも、一日も早い再建を願って振り込みや現金書留などが寄せられた。海外からの送金もあった。
民団の募金運動について、李明博大統領は去る4月、韓日首脳会談のために来日した折、在日同胞レセプションでの激励辞で「金融危機やソウル五輪など悪い時もいい時も、いつも同胞らが率先して祖国を助けてくれた。南大門の焼失の時も、一番最初に在日同胞の皆さんが(復元誠金を)募金してくれた」と感謝を表明している。
文化財庁の報告では、南大門の復元に、少なくとも5年の時間(2013年まで)と250億ウォン(約26億円)の費用が必要としている。復元とともに、1907年に破損した城壁も再現する計画だ。
(2008.10.22 民団新聞)