掲載日 : [2009-07-01] 照会数 : 13445
<李大統領>地方参政権実現へ支援惜しまぬ
[ 午餐懇談会で民団幹部を激励する李明博大統領 ]
民団幹部との懇談会で再強調
李明博大統領は6月28日、駐日韓国大使公邸に鄭進団長、黄迎満議長、金昌植監察委員長ら民団中央幹部および中央傘下団体長ら20人を招き午餐懇談会を持った席で、在日同胞の懸案である日本での地方参政権問題について、「付与は世界的流れなので日本もそのような流れに合わせていくと考える」と強調し、「(韓日)両国政府の立場でも継続努力するだろう」と実現に尽力することを改めて明らかにした。同日の韓日首脳会談でも、麻生太郎首相に地方参政権が付与されるよう積極的な協力を要請した。
北核廃棄 最善尽くす
鄭民団中央団長は歓迎辞で、今年2月に在外国民に国政参政権が付与されたことに感謝の意を表明するとともに「私たち民団が推進している、日本での地方参政権も、速やかに獲得できるよう本国政府の支援を期待している」と述べた。これを受け、李大統領は、激励辞で「皆さんの国内参政権は解決されたが、住んでいる国の地方参政権がまだ認められていないのは残念だ」とし、政府としても実現へ支援を惜しまないことを明らかにした。
また、鄭団長が北韓の動向について、「最近、在日同胞を難しい状況に追いやっている問題の一つが、北韓による核実験再開とミサイル発射だ。本国政府と国連などで、うまく対処していただけると信じている」と述べたのと関連して、李大統領は「今回は国連決議がうやむやにならず強力に履行されるだろう。国際社会が北韓を制裁するのに目的があるのではなく、北韓をして核を放棄し国際社会に導き出すのに目的がある」と説明。さらに「早く北韓が自立できるようにしなければならない。その前提は核を放棄し国際社会に出てくることだ」とし、「韓国は愛情を持って北韓が国際社会と協調するように努力しなければならない」と表明した。
さらに、李大統領は「今、南北関係が苦境にあるからといって、希望がないのではない。南北が和解して平和を維持し、必ずや統一しなければならないという確固とした目標を持っている。そうした点で私たちは希望を持っている」と強調した。
李大統領は世界経済の沈滞についても言及、「来年からは世界経済が少しずつ良くなっていくと考えるが、本格的な回復は1年以上かかるだろう」と説明。「世界で『韓国が最も早く危機から抜け出すだろう』、『来年の韓国の成長率は世界で最も高い』といわれているが、私たちは楽観するのではなく慎重に対応している」と明らかにした。
来日した韓国大統領が、民団幹部を招いて大使公邸で懇談会を開いたのは初めて。懇談会は権哲賢大使の進行で約1時間20分に及んだ。鄭団長は、日帰りという忙しい日程にもかかわらず、首脳会談に先立って民団のために設けてくれたことに感謝を表明した。
鄭団長は「シャトル首脳外交の一環として日本各地を訪問する際に、ぜひ広島にも来ていただきたい。同胞も4万人が被爆死しており、平和記念公園内には同胞慰霊碑がある」とのべ、「非核と平和祈念の象徴的場所」である広島への訪問を李大統領に要望した。
(2009.7.1 民団新聞)