掲載日 : [2009-07-15] 照会数 : 5880
薜幸夫鳥取団長に「名誉道民」顕彰 行政間交流再開へ道開く
[ 顕彰される薜団長(右) ]
江原道「道民の日」行事
【鳥取】韓国の江原道と鳥取県との間に立ち、中断していた自治体交流の復活に努力した民団鳥取本部の薜幸夫団長(57)が8日、江原道での「道民の日」イベント席上、金振兟知事から「名誉道民」として顕彰された。在日同胞としては初めて。
両自治体は94年に姉妹提携を締結し、交流を積み重ねてきた。だが、05年2月、島根県の「竹島の日」条例制定に端を発した独島の領有権問題により、道が行政交流の中断に踏み切った。07年8月にはアシアナ航空が米子‐ソウル間の定期便の運行休止を決めた。こうした事態に、平井伸治知事は「これからは領土問題など国家間の問題は国家に任せ、言及せず」との立場を明らかにし、薜団長に事態打開を依頼した。
薜団長は同年10月、手弁当で道庁を訪問、面識のなかった金知事や道議会議長らを前に交流の再開を訴えた。この結果、江原道と鳥取県の行政間の交流が2年数カ月ぶりに再開された。交流再開の調印の時に浮上していた鳥取・境港、江原道・東海市、ロシア・ウラジオストックを結ぶ定期貨客船も今年6月に就航したばかり。
江原道「道民の日」イベント席上、道民2000人の見守るなか記念盾とメダルを贈られた薜団長は、「このたびの顕彰は県内同胞1200人と県民59万人を代表していただいた」と喜びを語った。平井知事も「顕彰は県全体の誉れ」とコメントした。
(2009.7.15 民団新聞)