掲載日 : [2009-09-02] 照会数 : 12752
フラッシュ同胞企業人<40>関西で初導入業界牽引
[ 1931年大阪生まれ。大阪市立此花高校卒。57年から重量運搬事業に携わる。1男1女孫4人。 ]
クレーン車40台を保有
高山運輸建設の高山圭市会長
建設現場や事故車両の処理などの重量運搬には、クレーン車が欠かせない。そのクレーン車を関西で初めて導入し、以来、半世紀にわたり信頼の実績を積み重ねてきた。
公機関の指定社
警察やJRの指定会社で、事故が起これば、直ちに連絡を受けて出動する。「阪神大震災の時は、危険な仕事が多かった。とりわけ電車車両を積み上げながら会社まで運んだのはかつてないことで、今も忘れられない」。電話番号が、「局番は違うが、当社も警察も、同じ1234だ」。
事業は3部門に分かれる。光ケーブルの地下配線をはじめ耐震性防火水槽や地下鉄のトンネル工事などに利用される「コンクリート・セグメント」に特化した運輸部門、多様なタイプのクレーンを揃えた揚重部門、そして建設部門だ。
クレーン車40台、トレーラー40台余、そしてトラックなど、工事に必要な重機車両を所有している強みを生かし、「低コスト・短工期」をモットーに業界を牽引する。社員は約100人。08年度の売上額は20億円ほど。
重量運搬工事用の機械を運ぶ事業に着手したのが1957年。「車が大好きで、3輪車を改造して単車をつくったりした。車と関連した仕事がやりたくて、個人で重量運搬事業を始めたのがきっかけ」
整頓モデル企業
62年、小型貨物自動車運送事業の免許を取得し、高山運輸を創業。68年に大林組、77年に石川島建材工業の専属運送業者となり、85年に高山運輸建設に社名変更した。
会社の敷地に入ると、クレーンもトレーラーも、同じ向きに整然と並ぶのが目につく。「当社は整理整頓のモデル企業。清掃はもちろん、クレーンの並び方はどれも同じ角度だ」と強調する。国土交通大臣から表彰され、大阪地区のクレーン建設業協会の理事長を務める。読書が趣味で、出世物語を好んで読み、経営の参考にしたという。
94年から、同社を会場に移動式クレーン運転士安全教育(主催・全国クレーン建設業協会など)を実施してきた。受験生は累計で1万人を超えた。
「厳しい競争を勝ち抜くには、技術を持たなければならない。社員教育の一環として、クレーンのみならず、土木建築などさまざまな資格にチャレンジさせている」
おもしろいエピソードがある。世界一大きいお好み焼きを作るイベントが大阪城公園で開かれた。「直径10㍍のお好み焼きをひっくり返すのに、当社のクレーン車が使われた。5000人分の大きさだけに、熟練した技術がないとできない」。成功した場面はテレビ中継された。
04年、製品・サービスの品質保証・顧客満足の向上をめざす国際規格「ISO9001」を取得。同時に、長男の正文さん(整形外科医)に社長職を譲り、会長に就任した。
「若いころは、在日であることを意識しながら、社会に奉仕しようと燃えていた。民団や民族金融機関も、陰で支えてきた」と自負する。
◆高山運輸建設(株)大阪市西淀川中島2‐8‐123(℡06・6473・1234)
(2009.9.2 民団新聞)