掲載日 : [2009-11-05] 照会数 : 9180
<婦人会60周年式典>賢母の精神 さらに高く
[ 全国各地の婦人会幹部ら1200人が参加して開かれた婦人会中央本部創立60周年記念式典 ]
在日本大韓民国婦人会中央本部創立60周年記念式典が10月29日、東京都内のホテルで全国各地の婦人会幹部ら1200人が参席して開かれた。参加者は、賢母の精神をさらに高め、紐帯強化、次世代の育成に全力を尽くすことなどを決議した。また、全同胞の懸案である地方参政権の早期実現へ継続尽力することを確認した。第2部の祝賀宴では、芸能公演などが行われた。
福祉・教育の先頭に
次世代幹部育成など決議
余玉善会長は記念辞で「1949年の結成から今日まで全国婦人会が固く結束し、祖国と同胞社会の発展のために苦楽を共にしてきた」ことを強調、呉基文初代会長をはじめ歴代中央会長および全国の婦人会幹部と会員のこの間の尽力にあらためて感謝を表明した。
余会長は、海外同胞社会において類例のない大きくかつ堅実な婦人組織であることを指摘するとと同時に、新たな飛躍を期しての改革推進を表明。婦人会の「新しい使命」として、「私たちに続く若いオモニ(母親)が、より良い未来のために大きく羽ばたけるよう、次世代の育成に一層力を注ぐ」ことを呼びかけた。
早稲田大学での講演のため来日中のところ60周年式典を知り、急きょ駆けつけた金泳三元大統領は来賓あいさつで「このように多くの婦人の集まっている席は大統領退任後初めてです。オモニは偉大です。皆さんに感謝しています。偉大な韓国をさらに輝かしてくれるようお願いします」と激励した。
鄭進民団中央本部団長は祝辞で「60年という長い歳月を、厳しい環境のもとでも家庭を守り子どもたちを育て、在日同胞社会と婦人会組織のために献身してきた」ことに敬意を表明。本国と在日同胞社会の発展のための婦人会のこれまでの活動を高く評価し、高齢者福祉事業と次世代育成でも中心的役割を果たしてくれるよう呼びかけた。
権哲賢駐日大使は、祝辞で「李明博大統領から政府を代表して今日の式典に参席し表彰するようにと言われた」と伝え、「同胞社会に大きな寄与をしてきた婦人会が今後も同胞社会の発展のために先頭に立ち大きな役割を果たしてほしい」と要望した。
韓日親善協会中央会の金守漢会長も祝辞で「在外同胞は100余カ国に680万人いる。だが、同胞が一つにまとまり、一貫して同胞と本国のために活動しているのは在日同胞だけだ。本国の国民を代表して感謝する」と表明。韓日女性親善協会の李堯植会長も「同胞社会でこれまで以上に重要な役割を果たすよう期待します」と祝辞を述べた。
この日、大統領表彰者、国務総理表彰者の紹介と外交通商部長官表彰、女性部長官表彰、駐日大使表彰、民団中央団長表彰などの授与が行われた。また、新たな飛躍を期して60周年祝賀シレトック(もち)の入刀が全国地方本部会長によって行なわれた。
決議文を採択
第1部式典の最後に参加者は①祖国の平和統一と経済発展、そして在日同胞社会の真の団結のために全力を尽くす②在日同胞の地位向上へ地方参政権の早期獲得のためにあらゆる努力を惜しまぬ③未来指向的な韓日関係のより一層の発展のために使命を遂行する④婦人会の3大綱領を再確認し、婦人会組織の飛躍を期して組織刷新に力を注ぐ⑤すべての子どもたちの母として愛と紐、そして和の心で次世代に夢と希望を抱かせるのに全力を尽くす−−との決議文を満場一致で採択した。
初代会長の呉基文顧問に感謝の花束
婦人会中央60周年式典に、初代会長の呉基文顧問(98)が車イスながら元気な姿で臨み、余玉善会長から感謝の花束を贈呈された。
呉顧問は49年6月の創立時から67年6月まで、6・25韓国戦争時の慰問・救護活動やその後の貧困救済運動、59年から始まった総連同胞の北送阻止運動、64年の東京五輪後援事業、65年に妥結した韓日会談時の法的地位要求貫徹闘争など、激動の草創期18年を率いて、組織の基礎を築いた。
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地方参政権 来賓の各党代表強調
通常国会で実現へ
60周年式典で日本側来賓の各党代表・議員は、在日同胞の権益伸長擁護と韓日友好親善強化のための婦人会の活動に敬意を表明、永住外国人への地方参政権付与について早期実現に力を尽くすことを表明した。(以下発言順)
中野寛成民主党衆義院議員(衆院政治倫理審査会長)=政権交代のこの機会に、地方参政権を実現したい。政権政党という立場から、議員立法よりも政府自らが責任を負うという意味で政府提案に向け準備している。遅くとも来年春の通常国会には実現させたい。民主党として全力を尽くす。
浜四津敏子公明党代表代行=残された最も大きな課題の一つが外国人の地方参政権です。公明党は永住外国人地方参政権の実現ために繰り返し法案を提出するなど積極的に取り組んできた。今、最高のチャンスを迎えているので公明党は早期成立をめざし、全力で取り組む。
穀田恵二共産党国会対策委員長=日本の民主主義の問題という立場から接近し、地方参政権の実現のためにわれわれも一翼を担いたい。皆さんと一緒にゴールをめざしたい。
鈴木宗男新党大地代表=国会では民主党の会派の一員として活動している。先ほど中野寛成先生が、地方参政権に向けて力強い話があった。大変頼もしく思いました。その実現のためには、民主党の中にもいろいろな声がありますので、是非ともうまくまとめていただきたい。
山口那津男公明党代表=永住外国人への地方選挙権の付与問題をまっさきに取り上げ、推進してきたのは公明党です。自民党と連立政権を組んでいた時も、単独で法案を提出した。鳩山首相が韓国での記者会見で、地方参政権の付与に前向きな考えを表明した。歴代の首相として初めてのことであり、画期的な出来事だ。党として一日も早い実現に向けて全力で取り組む。
川上義博民主党参議院議員(永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟事務局長)=地方参政権について、きのう山岡国会対策委員長と小沢幹事長が話し合い、来年の通常国会では必ず成立させるということだった。早期実現にがんばりたい。
白真勲民主党参議院議員=なんとしてでも早期に実現するよう努力することを約束する。
このほかに江田五月参議院議長と田村耕太郎自民党参議院義員が祝辞を述べた。
(2009.11.5 民団新聞)