掲載日 : [2009-11-18] 照会数 : 9773
「歴史歪曲教科書」阻止へ緊急集会
[ 12日に韓国中央会館で開かれた歴史教科書問題緊急集会 ]
韓日相互理解増進に逆行
「採択撤回」強く促す
未来志向の韓日関係の構築・発展のために「望ましい歴史教科書の採択」を日本の各自治体に要望している民団は12日、東京・港区の韓国中央会館で緊急決起集会「日本の歴史教科書問題−−なにが問題か」を開いた。参加した関東地方協議会の民団、婦人会、青年会などの幹部200余人は、来年が「韓日併合」から100年であり、歴史認識問題が再燃することを憂え、植民地支配を正当化・美化するなど韓日関係を阻害する「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史教科書採択策動の阻止などを決議した。
民団中央本部の鄭進団長はあいさつ(林三鎬副団長代読)で「国を愛する心を育むと称しながら、歴史の事実を歪曲、韓国だけでなくアジアとの友好関係をも阻害する『つくる会』の悪影響が関東地域で拡大している」と懸念を示した。
さらに、①05年に「つくる会」の扶桑社版中学歴史教科書を採択した栃木県大田原市、東京都と東京都杉並区が再びこれを採択するなど、首都圏の教育委員会に対する攻勢を強めている②「つくる会」のメンバーらが執筆した自由社版教科書が、最大の政令指定都市である横浜市の一部で初めて採択され、しかも横浜市では法律や閣議決定を無視して採択地区を一元化することで「つくる会」教科書の市内全域での採択への道筋をつけようとしていると指摘した。
丁榮哲文教局長が「09年度歪曲歴史教科書問題への対処」について報告。「09年度教科書採択現況と課題」と題した俵義文「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の講演に続き、韓国教員団体総連合会国際協力委員である朴星奇・京畿道河南高校歴史教師(韓日教師交流研究の集い会員)が「玄海灘の人(三国時代〜19世紀まで)」と題して講演。相互理解・友好増進のためには、韓日双方が自分の立場を主張するだけでなく、人と人の交流を通じて相手の社会・文化も知り、「壁」を乗り越えていく持続的努力の必要性を強調した。
参加者は、韓日友好・相互理解の増進および多文化共生社会をめざし、望ましい歴史教科書の採択を強く求め、①日本政府の公約である「近隣諸国条項」に反する歪曲歴史教科書の採択反対運動を今後とも広範に展開する②すでに歪曲歴史教科書を採択した教育委員会への撤回要求を継続すると同時に、横浜市が強行しようとしている全市一括採択の撤回を求め活動を強化する③志をともにする韓・日の市民運動とも連携し、韓日関係を阻害する「つくる会」などの策動を断固阻止する−−との決議を満場一致で採択した。
この決議をもとに横浜市教育委員会と神奈川県教育委員会への要望書を作成し、近日中に要望団を構成して両教育委員会に手渡す。
(2009.11.18 民団新聞)