掲載日 : [2009-11-26] 照会数 : 10432
<青年会特集>「歴史」と「民族教育」主題にKYA
[ 全国から105人の活動者が参加した福岡でのKYA ]
次代担う使命共有
活動者105人が活発論議
「第23回Korean Youth Academy(KYA)」が11月14〜15日の両日、九州幸銀信用組合本店および福岡県立社会教育総合センターで開催されました。全国の活動者105人が参加しました。
福岡での開催は8年ぶりです。1998年から始まったKYAも12年目を迎え、参加活動者も年々増加しつつあり、今回初めて100人を超えました。
今回は「歴史」と「民族教育」が大きなテーマ。
KYAでは、私たち在日韓国人3世・4世世代が未来を生きるうえで、また青年会活動を推進していくうえで必要な知識や情報を得るために、講師も外部から多彩な顔ぶれをそろえ、講義のほかディスカッションなど、多彩なカリキュラムを組み込みました。
「歴史」では、福岡在住のノンフィクション作家、林えいだいさんと韓国学の研究者でNHKハングル講座にも出演していた小倉紀蔵京都大准教授を講師に招きました。
林さんには、植民地時代に福岡の炭鉱に強制徴用され過酷な労働を強いられた韓国人労働者の様子を、自身が目撃したリアルな描写を交えて語っていただきました。
青年会では昨年まで9年間にわたって、同胞1世の証言を集める「歴史を伝える運動」を行いましたが、現在の活動者のほとんどが3・4世。この世代として改めて証言を聞くことにより、在日韓国人の歴史を生で知り、後世に残していくための活動が必要であることを痛感したようです。
続く小倉さんは、「歴史認識を乗り越える〜日中韓の対話を阻むものはなにか〜」と題して、ここ数年の韓日、日中の歴史感情論について説明しました。
参加者は、講義後にディスカッションを行いましたが、日帝植民地支配を正当化する言説が日本社会の中で幅を利かせ、記述に大きな問題を含む中学歴史教科書が横浜市などにおいて採択される状況を憂慮し合い、歴史認識をナショナリズムから切り離し、冷静な対話を行うことが欠かせないと確認し合いました。
また、そのために在日韓国人青年が韓日の懸け橋として活動していくことが大切だということで意見の一致を見ました。
「民族教育」をテーマにした講義では、大阪の公立小学校で民族講師を務めている姜孝裕さんを招き、自らの体験をふまえ課題と展望を語っていただきました。
オリニ事業にいっそう努力
参加者は、講義をもとに「今後の在日韓国人社会に求められる民族教育のあり方」についてディスカッションを行いました。青年会が力を入れているオリニ土曜学校をはじめとしたオリニ事業の活性化方案などを話し合いました。
青年会では、年2回の全国研修会を通じて、在日・日本・韓国社会の中での在日韓国人3世・4世世代の役割、青年会活動のあり方を模索しています。今後も、私たちを取り巻く様々な問題を取り上げ考えを深化させることで、運動をより活発に推進していきます。
(2009.11.25 民団新聞)