掲載日 : [2009-11-26] 照会数 : 6383
「韓国史能力検定試験」 日本地域で初めて
[ 民団大阪本部会場の受験者は日本人が半数を占めた ] [ 歴史上の偉人の業績や韓日関係史を問う問題集。カラー印刷が鮮明 ]
意外に難問!? 韓日交流史中心に40問
【大阪】国史編纂委員会主管・施行の第1回韓国史能力検定試験が、大阪韓国人会館をはじめ、関西地域の民族学校・教育院を合わせた4地域7会場で一斉に行われた。韓国では毎年13万人がチャレンジする人気企画。海外地区でも一足早くカザフスタン(07年)とアメリカ(08年)で実施されている。日本地域では受験者総数が645人を数えた。
国史編纂委主管 645人受験
問題集はA3版2つ折り、16㌻建てカラー。各㌻とも同じ設問が左側に韓国語、右側は日本語で記載されている。国史編纂委員会の金大吉企画室長は、「在日韓国人の歴史教育のため、日本地域だけ特別にカラー刷りにした」という。韓日両国に関わる歴史や文化から幅広く4択の客観式40問を精選している。
内容はユネスコ世界遺産や主な歴史上の偉人の業績、有田焼の由来など、在日韓国人はもとより日本人にも興味深い事項ばかり。
受験者全体の内訳は在日韓国人が約6割にあたる381人、同じく日本人は4割の264人。大阪韓国人会館での受験者は在日韓国人と日本人がほぼ半々だった。
山本知史さん(46、大阪市中央区)は、事前に韓国の歴史ドラマを鑑賞し、韓国史の中学生用教科書にも目を通すなど、万全の態勢で臨んだ。それでも「難しかった」という。「これまで韓国の博物館を訪れても気楽に見学していましたが、これからは真剣に見るようにしたい」と語った。
中学校の歴史教科書を読んでから試験を受けたという前田秀行さん(守口市)も「良くできなかったが、たいへん勉強になりました。次回行われるのであれば、もう一度チャレンジしたい」と意欲を燃やしていた。
これに対して、延世大学に留学した経験がある高年世さん(37、奈良県)は、「選択問題だったのでやりやすかった。楽しい受験になりました」と余裕の笑顔を見せていた。
試験を前に、民団大阪本部では韓国語講座の受講生に韓国歴史ドラマのDVDを配布するなど、受験に向けた雰囲気を盛り上げてきた。同本部文教部の高徹さんは、「韓日文化交流事業としてとてもいい試みだった。第2回、3回と継続して実施していけば認知度も高まり、受験者も増えてくるでしょう」と継続開催を期待している。
金剛学園では中・高校生の生徒、小学校でも日本人児童を含む6年生全員が挑戦した。韓京 校長は、「これを機会に韓国の歴史に興味を持ってくれることを期待している」と語った。
100点満点中、合格圏内と認定される基準は50点以上。点数別に59点までが「初級」、60点以上69点までは「中級」、70点以上取ると「高級」の等級認証が贈られる。合格発表は12月中旬の予定。
成績優秀者については、韓国文化遺跡地や産業団地を訪問する韓国旅行に招待される。
(2009.11.25 民団新聞)